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Monday, August 22, 2011

「八日目の蝉/角田光代」を読んだ

Mitsuyokakuta_yokamenosemi Jimakeiさんに何冊かの本を借りた。まずはその中の1冊から角田光代さんの「八日目の蝉」(中公文庫)について。
 こんなあらすじ。1985年2月、かつて愛人だった秋山丈博の家に侵入した野々宮希和子は、眠っていた赤ちゃん恵理菜を見て、衝動的に誘拐してしまう。希和子は赤ちゃんを薫と名づけ、親友の家や立ち退きを迫られている女の家へと逃亡する。しかし、警察が追いかけていることを知ると、謎の団体・エンジェルホームに身を隠すことを決意し、父親の遺産など所持金をすべて手放し入所する...。
 この話は本当に痛い。平凡な日常を求めても、手に入れることができない希和子が、ただこの子と一緒にいたい、大切なこの子を自分の手で守りたいという強い願いが、ひたすら痛い。すべてを捨ててしまう行動力が、ともかく痛い。で、ラストが本当に切ない。こんだけ身勝手な母と子であっても、2人で幸せに暮らさせてあげたいと思った。すべてを捨てても、守りたいものって何なんだろうと思った小説だった。読んでよかった。

cf.角田光代 読破 List
- ちいさな幸福 All Small Things (2004)
- 八日目の蝉 (2007)
- ロック母 (2007)

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