「幻夜/東野圭吾」を読んだ
ここ最近もちょこちょこ読んでる東野圭吾氏の本。「白夜行」の姉妹本とも言える「幻夜」(集英社文庫)も読んでみた。Jimakeiさん、貸してくれて、感謝です。
こんな話。父の通夜の翌朝に起きた阪神淡路大震災の直後、"水原雅也"は、借金返済を強いていた伯父を、震災の混乱の中で殺害してしまう。ふと気付くと、そばには"新海美冬"と名乗る見知らぬ女が立っていたが、彼女に犯行を見られたのか、雅也には確信が持てない。やがて、震災が取り持つ奇妙な縁で、美冬と雅也は共存するように助け合いながら生きて行く。希望を抱き、上京した東京で、2人のまわりには事件と陰謀がうずいていく。やがて一人の刑事"加藤亘"が、奇妙な偶然に気付き、美冬の過去に疑念を持っていく...。
「白夜行」を読んでから、突入した「幻夜」だったけど、徐々に美冬の正体がわかってくるあたりから前作とのつながりが見え、ゾワゾワしだし、先へ先へと一気に引き込まれて読んでしまった。それにしても、美冬の強烈で冷徹な野心と悪意と虚栄心と、ひたすらに彼女を信じ、ふりまわされ、徹底的に利用される雅也が、ともかく悲しい。一気に読んで、バサっと襲ってくる読み終わった直後の後味の悪さが、最低で最高だった。これ、さらに続編が書かれるんだろうか。ほんと中毒性のある小説だった。
cf.東野圭吾 読破 List
- ブルータスの心臓 (1989)
- 美しき凶器 (1992)
- パラレルワールド・ラブストーリー (1995)
- 秘密 (1998)
- 白夜行 (1999)
- 予知夢 (2000)
- レイクサイド (2002)
- 時生 (2002)
- 幻夜 (2004)
- さまよう刃 (2004)
- 容疑者Xの献身 (2005)
- 赤い指 (2006)
- 流星の絆 (2008)
- プラチナデータ (2010)
- 白銀ジャック (2010)
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