「パレード/吉田修一」を読んだ
ちょっとづつ徐々に読んでる作家、吉田修一氏。世田谷中央図書館で借りて読んだ「パレード」(幻冬舎文庫)について。
こんな話。ひょんなきっかけで始まった4人のルームシェア。長崎出身でお気軽でやる気が感じられないH大学経済学部3年の大学生 杉本良介(21歳)。若手人気俳優の丸山友彦と熱愛中で、彼からの連絡を部屋で待ち続ける無職の大垣内琴美(23歳)。本当の自分を出す事に疑問を感じ、酒豪で売れないイラストレーター兼雑貨屋店長の相馬未来(24歳)。とても良識的で夜のマラソンが日課で、寝言が不気味な独立系映画配給会社勤務のサラリーマン 伊原直輝(28歳)。そこに、男娼の小窪サトル(自称18歳)が、彼らの共同生活に加わった。自分を装うことで成り立っていた優しく怠惰な共同生活に、小さな波紋が広がっていく...。
適度な人間関係。適度にお互いを知ろうとし、それ以上に詮索せず、馴れ合いみたいな友情や愛情が生まれていく。そんな共同生活の中にだんだんとひずみが生まれていき、最後にはそのひずみからドス黒いものが噴出した。仮面の下に隠しても、じわっと漏れていくそいつの本性がともかくおっかない。ともかく面白かった。だんだん、吉田修一さんの世界にハマってきた今日この頃。
cf.吉田修一 読破 List
- パレード (2002)
- パーク・ライフ (2002)
- 日曜日たち (2003)
- ランドマーク (2004)
- 春、バーニーズで (2004)
- 静かな爆弾 (2006)
- 悪人 (2007)
追記:
というわけで、本日2011.09.20.(火)から23.(金・祝)まで中国・上海出張。これで中国出張は21回目、上海出張は20回目。では、行ってきまーす。
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