「レイジ/誉田哲也」を読んだ
結構ずっと読んできてる誉田哲也氏。世田谷中央図書館で借りて読んでみた氏の最新作「レイジ」(文藝春秋)について。
こんな話。音楽の才能は普通だけど世渡り上手な春日航海(ワタル)と、音楽の才能に恵まれるも孤独に苦しみ続ける三田村礼二。2人は中学最後の文化祭でバンドを組み、大成功を収めるが、礼二の突然の脱退宣言によりバンドは空中分解する。その後2人はお互いを意識しつつも別々の道へ進む。そして、紆余曲折を経て、礼二がようやく巡り合った理想のバンドが、ある事件に巻き込まれてしまう...。
ただ好きな音楽を楽しくできたらいいと思うワタルと、自分の理想の音楽を追い求める礼二の物語が交互に描かれて、そこに一人の女性 梨央がからんでいく、音楽とバンドを描いた青春小説。中学生のころから、おっさんになるまでの長くて短い青春が描かれて、まさに大人が楽しむ青春小説。
で、これ、完全にリアルタイムで自分がいた時代がずっと書かれる。少年ジャンプ、映画「サタデー・ナイト・フィーバー」、ベストヒットUSA、Culture Club、Duran Duran、ラウドネス、アースシェイカー、映画「セーラー服と機関銃」、Prince、多重録音、Bon Jovi、Donald Fagen、セブンスター、イカ天...。ずっとそのそばにいた言葉たちが並んで、あの時代の匂いとか価値観とか懐かしさを感じられた。Lastは正直微妙なところもあったけど、ともかく気楽に感情移入して楽しめた本だった。
cf.誉田哲也 読破 List
- 妖の華 (2003/2011)
- アクセス (2004)
- 春を嫌いになった理由 (2005)
- 疾風ガール (2005)
- ジウI 警視庁特殊犯捜査係 (2005)
- ストロベリーナイト (2006)
- ジウII 警視庁特殊急襲部隊 (2006)
- ジウIII 新世界秩序 (2006)
- 月光 (2006)
- ソウルケイジ (2007)
- 武士道シックスティーン (2007)
- 国境事変 (2007)
- シンメトリー (2008)
- ハング (2009)
- インビジブルレイン (2009)
- 世界でいちばん長い写真 (2010)
- 歌舞伎町セブン (2010)
- 感染遊戯 (2011)
- レイジ (2011)
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