「不可能/松浦寿輝」を読んだ
会社の同僚Mrsw君に借りて読んでみた松浦寿輝氏の「不可能」(講談社)について。
こんな話。主人公"平岡"は、わけあって獄中で30年近くを過ごした後に出所した。印税を元としたかなり潤沢な金があり、建てた邸宅の地階にBarを作り、George Segalが作ったような彫像を若き彫刻家"S・・・君"に作らせて、Barに配置した。やがて、改悛老人クラブ"ROMS"の会員になり、そこで出会ったひとくせもある老人達と交流し、現実と幻想の境界線を少しずつ彷徨っていく...。
あの三島由紀夫が主人公。陸上自衛隊市ヶ谷駐屯地で自決切腹したが、介錯が下手で首が繋がったまま生き延び、刑期を終え、80代半ばの老人になったという設定で物語が進む。でも、内容的には三島由紀夫というよりも、後期高齢者の老人が、裕福に好き勝手できる金を使って、過激にやりたい放題をやって、どうやったら幸せになれるかが描かれた小説。前半やスコットランドでの生活は、鼻につくものの、普通の老人っぽい過し方だけど、ROMSに入ったあたりから、内容は異様に過激に、さらにグロくなり、最後にHeat Upするとうものだった。読んでるこっちも徐々にHeat Upして、一気に読めてしまった。文学的素養がなくても、読める本。面白かったです。
cf.松浦寿輝 読破 List
- 不可能 (2011)
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