「我が家の問題/奥田英朗」を読んだ
結構それなりに読みまくってる奥田英朗氏の本。世田谷中央図書館で借りた「我が家の問題」(集英社)について。
完璧すぎる妻のおかげで、新婚なのに家に帰るのが嫌になった帰宅拒否症の夫を描いた「甘い生活?」、夫が仕事のできない男かもしれないと気付いてしまって悩む妻を描いた「ハズバンド」、両親に離婚するらしいと気が付き、親友に悩みを打ち明ける女子高生を描いた「絵里のエイプリル」、結婚して、お盆に互いの実家である札幌と名古屋に帰省することにした新婚夫婦が、お互い里帰りのしきたりに戸惑う姿を描いた「里帰り」、突然、UFOが見守ってくれ、宇宙人と交信出来るようになったと夫が言い出し、不安が募る妻を描いた「夫とUFO」、そして、ランニングにハマった妻に東京マラソン出場の機会が訪れる「妻とマラソン」。こんなささやかだけど悩ましい6つの短編小説が収録されている。
どの話もどこか自分にもあてはまり、ちょっと痛々しくて、微笑ましい。他人にとってはささやかだけど、本人にとってはめっちゃ困った悩みが描かれてる。特に両方の家に顔を出す「里帰り」は、ほんとわかるなぁ~って感じだし、仕事ができないと思われてたらつらいなぁ~って思う。こんなささやかな機微を描くのも上手な奥田さん。また新作が出たら、絶対読みます。
cf.奥田英朗 読破 List
- B型陳情団 (1990)
- ウランバーナの森 (1997)
- 最悪 (1999)
- 邪魔 (2001)
- 東京物語 (2001)
- イン・ザ・プール (2002)
- 延長戦に入りました (2002)
- マドンナ (2002)
- 真夜中のマーチ (2003)
- 空中ブランコ (2004)
- サウスバウンド (2005)
- ララピポ (2005)
- ガール (2006)
- 町長選挙 (2006)
- 家日和 (2007)
- オリンピックの身代金 (2008)
- 無理 (2009)
- 純平、考え直せ (2011)
- 我が家の問題 (2011)
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