2011年を振り返る●Readings編●
2011年を振り返りつづけてる。続いては、去年も読みまくった"Readings編"を。
で、2011年もそれなりに、本を読んだと思う。雑誌やガイドブックなどを含めて、なんだかんだで、103冊を1年間で読んだ。世田谷図書館にも通いまくった。大崎善生、奥田英朗、伊坂幸太郎、恩田陸、東野圭吾、辻村深月、誉田哲也、村上春樹、重松清、そして村上龍といったかたがたの作品を読み続けていた感じ。今まで読まなかった自分的に新しい作家として、伊藤計劃、角田光代、吉田修一、宮部みゆきあたりに、最近貸していただいた有川浩。じわじわとそれなりに出会いはあった。そして、雑誌については、相変わらずのrockin'onとROCKIN'ON JAPANとたまにBRUTUSをひたすら読んだ。もう26年以上も続いてる習慣だ。ま、ビジネス書を一切読んでいないのは、いい歳こいてまずいと思う今日この頃です。
では、2011年に読んだ本の中で、個人的によかった3冊を挙げてみる。
まずは、ほとんどの作品を読んできている大崎善生氏の「ユーラシアの双子」<上/下>。新潟から日本海を超え、ウラジオストク、イルクーツク、モスクワ、ベルリン、フランクフルト、フライブルク、パリ、バルセロナ、そしてリスボンまで、50歳の男が一人の少女を追い続けるRoad Movieのような作品。長女の自殺の責任を、自分に問い続けながら、凍てついたココロを抱えた旅が続くんだけど、その絶望と孤独の中、救済を求めていくのがこの小説のテーマ。静かな中にも文章の中に、激しい感情を書く大崎善生氏は、ほんと好きな作家のひとりだ。
2冊目は、伊藤計劃氏の「虐殺器官」。この小説は、核爆弾によってサラエボが消滅し、先進諸国は自由とひきかえに市民の監視を徹底し、発展途上国では内戦と民族衝突による大規模虐殺が頻発していたという近未来舞台にした国際軍事謀略を描いたSFサスペンス。心理描写が多い重厚な文章の中、目をつぶりたくなるほど、惨殺、虐殺シーンが浮かんでくる。この小説で初めて、伊藤計劃氏のことを知ったんだけど、2009年に34歳の若さで肺癌で急逝している。しかも作家として活動期間は3年にも満たなかったらしい。いまさらなんですが、ご冥福をお祈りします。
そして3冊目は、本屋でやたらと目に付いた百田尚樹氏の「永遠の0(ゼロ)」。これ、生きて妻の元に帰ることだけを心の糧に、パイロットとして凄い腕を持ちながらも、異常なまでに死を恐れ、生きることへの執着を臆面もなく口にし続けた零戦パイロットの姿を描いた作品。真珠湾、ミッドウェー海戦、ガダルカナル海戦とか、航空隊やその戦闘について緻密に描かれてて、過酷な戦況が迫力と共に伝わってきた。カミカゼ特攻隊は、911と同じテロリストだと言い切った奴らに腹が立った。そして、生きて帰るという妻との約束にこだわった男が、最期に特攻隊に志願してしまった本当の理由がわかったときは、つらかった。いい本でした。
というわけで最後に、2011年に読んだ小説とか雑誌とかを順に書いてみます。
●Novels
- 木漏れ日に泳ぐ魚/恩田陸
- ツナグ/辻村深月
- マリアビートル/伊坂幸太郎
- 告白/湊かなえ
- ユーラシアの双子 上/大崎善生
- ユーラシアの双子 下/大崎善生
- 季節風 冬/重松清
- Grapefruit Juice・グレープフルーツ・ジュース/Yoko Ono-オノ・ヨーコ・南風椎(訳)
- 存在という名のダンス 上/大崎善生
- 存在という名のダンス 下/大崎善生
- 風の跡 Kazumasa Tanaka "10 LYRICS"/Grapevine
- ポロメリア/Cocco
- 回転木馬のデッド・ヒート/村上春樹
- 虐殺器官/伊藤計劃
- ねむり/村上春樹
- 文藝別冊 総特集 伊坂幸太郎
- Railway Stories/大崎善生
- at Home/本多孝好
- 3652-伊坂幸太郎エッセイ集-/伊坂幸太郎
- 夜行観覧車/湊かなえ
- 村上春樹 雑文集/村上春樹
- 逃げる中高年、欲望のない若者たち/村上龍
- ちいさな幸福 All Small Things/角田光代
- 歌舞伎町セブン/誉田哲也
- 永遠の0(ゼロ)/百田尚樹
- rockin'on BOOKS vol.5 OASIS
- 蛍・納屋を焼く・その他の短編/村上春樹
- 静かな爆弾/吉田修一
- 延長戦に入りました/奥田英朗
- 村上龍映画小説集/村上龍
- 妖の華/誉田哲也
- 悪人/吉田修一
- ハーモニー/伊藤計劃
- 呼人/野沢尚
- 人気ドッグスクール校長が教える! 愛犬の育て方・しつけ方相談所/佐藤美津子
- 白夜行/東野圭吾
- 苦役列車/西村賢太
- プラチナデータ/東野圭吾
- 走れ!タカハシ/村上龍
- 純平、考え直せ/奥田英朗
- GOOD DOG.STAY.・グッドドッグ・ステイ-愛犬ボーが教えてくれたこと-/Anna Quindlen
- 白銀ジャック/東野圭吾
- 忌野清志郎 ロックン・ロール・ショー 日本武道館 Love&Peace パンフレット
- 感染遊戯/誉田哲也
- 八日目の蝉/角田光代
- 日曜日たち/吉田修一
- ROCK IN JAPAN FES.2011 パンフレット
- 幻夜/東野圭吾
- せんせい。/重松清
- これでイヌの気持ちがわかる~71の大切なこと~/イヌマニア・ラボ
- SUMMER SONIC 2011 パンフレット
- これでイヌと話ができる~73の大切なこと~/イヌマニア・ラボ
- レイジ/誉田哲也
- パレード/吉田修一
- Le Petit Prince・星の王子さま/Antoine de Saint-Exupery・サン=テグジュペリ・河野万里子(訳)
- KAGEROU/齋藤智裕
- 心はあなたのもとに/村上龍
- 回廊亭殺人事件/東野圭吾
- 不可能/松浦寿輝
- ポニーテール/重松清
- 本日は大安なり/辻村深月
- 龍は眠る/宮部みゆき
- 我が家の問題/奥田英朗
- OUT/桐野夏生
- 悪意/東野圭吾
- レインツリーの国/有川浩
- 武士道セブンティーン/誉田哲也
- ことりっぷ 沖縄
●Magazines
- ラーメンウォーカー東京 23区南部版 2011
- rockin'on 1 January 2011
- ROCKIN'ON JAPAN FEBRUARY 2011
- rockin'on 2 February 2011
- BRUTUS 699
- 代官山通信 Vol.113
- ROCKIN'ON JAPAN MARCH 2011
- MUSIC MAGAZINE 2011年3月号
- rockin'on 3 March 2011
- ROCKIN'ON JAPAN APRIL 2011
- 別冊カドカワ 総力特集 桑田佳祐
- AERA '11.2.28
- rockin'on 4 April 2011
- SWITCH Vol.29 No.03 March 2011
- ROCKIN'ON JAPAN MAY 2011
- BRUTUS 703
- rockin'on 5 May 2011
- ROCKIN'ON JAPAN JUNE 2011
- rockin'on 6 June 2011
- ROCKIN'ON JAPAN JULY 2011
- rockin'on 7 July 2011
- ROCKIN'ON JAPAN AUGUST 2011
- rockin'on 8 August 2011
- 代官山通信 Vol.114
- ROCKIN'ON JAPAN SEPTEMBER 2011
- rockin'on 9 September 2011
- ROCKIN'ON JAPAN OCTOBER 2011
- rockin'on 10 0ctober 2011
- ROCKIN'ON JAPAN 10月増刊号 "ROCK IN JAPAN FES. 2011"
- ROCKIN'ON JAPAN NOVEMBER 2011
- BRUTUS 718
- rockin'on 11 November 2011
- ROCKIN'ON JAPAN DECEMBER 2011
- rockin'on 11 December 2011
- ROCKIN'ON JAPAN JANUARY 2012
こんな感じで、2012年も読書しまくって、いろいろ感じられればと思います。
cf.
- 2007年を振り返る●Readings編●
- 2008年を振り返る●Readings編●
- 2009年を振り返る●Readings編●
- 2010年を振り返る●Readings編●
- 2011年を振り返る●Readings編●
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