「太陽の坐る場所/辻村深月」を読んだ
たまーに読んでる辻村深月氏。世田谷中央図書館で借りて読んだ彼女の「太陽の坐る場所」(角川書店)について。
こんな話。高校卒業から10年が経ち、毎年開かれる同窓会で、今まで一度も出席することのなかった女優"キョウコ"の話題になり、彼女を何とか同窓会に呼び出そうという話になった。キョウコに連絡を取り、出席させようともくろむが、高校時代と今をつなぐそれぞれの傷に触れることになり、28歳になった彼ら彼女らの中で高校時代の苦い思い出が蘇ってくる...。
学生時代の幼く無邪気に人を傷つけた出来事という過去が、大人になった男女に交錯し、ふりかかるという物語。あの時の残酷な悪意と挫折に、どのように落とし前をつけるかを考えさせるというもの。ただ、これにミステリー的なトリックが絡み、簡単には読み続けられないヘビーなものだった。また、確執も相当粘着してて、正直不愉快な印象も残ったのも事実。無邪気な悪意が読んでてちょっとつらかった。
作者にとっては、新境地へのチャレンジかと思いますが、ちょっとついていけなかった。次回に期待します。
cf. 辻村深月 読破 List
- 冷たい校舎の時は止まる (2004)
- 凍りのくじら (2005)
- ぼくのメジャースプーン (2006)
- 太陽の坐る場所 (2008)
- ゼロ、ハチ、ゼロ、ナナ。 (2009)
- 光待つ場所へ (2010)
- ツナグ (2010)
- 本日は大安なり (2011)
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