「オーダーメイド殺人クラブ/辻村深月」を読んだ
たまーに読んでる辻村深月氏。これも世田谷中央図書館で借りて読んだ「オーダーメイド殺人クラブ」(集英社)について。
こんな話。中学2年生の"小林アン"は、クラスでのヒエラルキーでは上位に属するリア充女子。ただ、心の中では、アイドルや恋愛話に一喜一憂する友達や少女趣味の母親をバカにしていた。そんなある日、アンは、昆虫系男子と命名し、クラスのイケてないグループに属してる"徳川勝利"が、河川敷で小動物らしきものの入ったビニール袋を何度も踏みつけているのを目撃する。普通の中学生とは違う特別な存在になるために、アンは徳川に自分を殺して欲しいと依頼し、2人は"被害者"と"少年A"になるべく、理想の殺人計画を描き始める...。
なんとなく親や家族と出かけたり、一緒にいることが嫌になり、どことなく不安で、常に仲間にハブにされないように周りを気にして、異性に興味が出てきて、自分は人と違うと思う日々って、自分にもあった気がする。自殺までは考えてなかったけど、自分が死んだらどうなるだろうってことは、異様に考えてた。当時、中二病って言葉はなかったけど、こんな不安定な心理って、今も昔も変わっていない。相変わらず辻村深月氏が描くティーンエイジャーって、ほんとにうまい。途中、冗長な部分もあったんだけど、陰湿ないじめとかゴスな雰囲気とか死体趣味とか、残酷だけど、上手に描かれてると思う。素直にひきこまれました。
というわけで、「水底フェスタ」も順番がまわってきて、世田谷中央図書館で借りることができた。2作連続して辻村深月ワールドにはまろうと思います。
cf. 辻村深月 読破 List
- 冷たい校舎の時は止まる (2004)
- 凍りのくじら (2005)
- ぼくのメジャースプーン (2006)
- 太陽の坐る場所 (2008)
- ゼロ、ハチ、ゼロ、ナナ。 (2009)
- 光待つ場所へ (2010)
- ツナグ (2010)
- 本日は大安なり (2011)
- オーダーメイド殺人クラブ (2011)
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