「下町ロケット/池井戸潤」を読んだ
直木賞受賞ということで、ちょっと気になってた池井戸潤氏の「下町ロケット」(小学館)。去年2011年の春、世田谷中央図書館に予約してやっと借りれたので、速攻読んだ。
こんな話。かつて、自分がメインで開発担当していたエンジンを搭載したロケットの打ち上げに失敗し、宇宙工学研究の道をあきらめた"佃航平"は、東京都大田区にある実家の佃製作所を継いでいた。その佃製作所は、大手顧客からの突然の取引停止や大手競合メーカーから特許侵害の疑いで訴えられるなど、大企業に翻弄され、会社は倒産の危機に瀕していた。一方、政府から大型ロケットの製造開発を委託されていた帝国重工では、100億円を投じて新型水素エンジンを開発していた。しかし、世界最先端の技術だと自負していたバルブシステムは、すでに佃製作所により特許が出願されていたことが判明した。帝国重工の宇宙開発グループ部長"財前道生"は、佃製作所の経営が窮地に陥っていることを知り、バブルシステムの特許を20億円で譲って欲しいと佃製作所に申し出た...。
大企業との軋轢、若手を中心とした社内メンバーとの軋轢、仕事中心な生活に伴う家族との軋轢、金儲けと夢を追いかけることの自分の中での軋轢、そして嫌がらせ。すべてが身につまされることばかり。そして、日本のものづくり魂とは何なのかを考えさせられる1冊だった。
こんなに読んでて涙が出た本は久しぶりだった。いい本と出会えました!!
cf.池井戸潤 読破 List
- 下町ロケット (2010)
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