「チェーン・ポイズン/本多孝好」を読んだ
ぼちぼち読んでる本多孝好氏の作品。世田谷中央図書館で借りて読んでみた「チェーン・ポイズン」(講談社文庫)について。
こんな話。誰にもなにも求められず、期待されず、愛されず、会社で歯車以下の日々を送っていた30代のOL。そんな生活を続けているうちに死へのあこがれを募らせていた彼女は、謎の人物から「本当に死ぬ気なら、1年待ちませんか? 1年頑張ったご褒美を差し上げます」というささやきをかけられた...。
人気絶頂のバイオリニスト、陰惨な事件の被害者家族、三十代のOLと続いた不思議な自殺の連鎖を調べていく記者。自殺願望の三十代のOLとこの記者が狂言まわしとなって、真相が明らかになっていく物語。"命の取引"をめぐっての攻防と葛藤を経て、最後の結末があまりにビックリ。電車の中で読み終えて思わず、ジーンとしてしまった。
本多さんの作品は人間の死を描いたものが多いけど、淡々とした流れの中に起伏があって、ほんと読んでてすがすがしい気持ちになれる。好きな作家のひとりです。
cf.本多孝好 読破 List
- MOMENT (2002)
- I LOVE YOU/伊坂幸太郎・石田衣良・市川拓司・中田永一・中村航・本多孝好 (2005/2007)
- Fine Days (2006)
- 正義のミカタ I'm a loser (2007)
- チェーン・ポイズン (2008)
- WILL (2009)
- at Home (2010)
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