「森に眠る魚/角田光代」を読んだ
じわじわ読み出した角田光代さんの小説。世田谷中央図書館で借りてみた「森に眠る魚」(双葉文庫)について。
こんな話。 開けっぴろげで飾らない性格の"繁田繭子"、 疑い深く、被害妄想気味の性格の"久野容子"、美人で気立てが良い"高原千花"、臆病で敏感すぎるところがある"小林瞳"、そして繭子と同じマンションの最上階に住む"江田かおり"。この5人の母親は、東京文教地区の町で出会った。育児を通じて親しくなった5人の母親たちだが、いつしかその関係性は変容していく...。
これ、育児や小学校の入試やといった教育を通じて、どんどんお互いが猜疑心にさいなまれ、精神的に病んでいき、深い孤独に陥っていくという、悲惨でえげつない内容。短時間で仲良くなったゆえに、お互いの生活や性格がわかっていく中、濃厚で密着で、依存しあう関係が、どんどんゆがんでいく。読めば読むほど、気分が悪くなる。疑心暗鬼って言葉がほんとに体に染み込んでいく一冊だ。
「八日目の蝉」を読んだ時も感じたけど角田光代さんってほんとに怖い作家だ。これからも目が離せない。
cf.角田光代 読破 List
- ちいさな幸福 All Small Things (2004)
- 八日目の蝉 (2007)
- ロック母 (2007)
- 森に眠る魚 (2008)
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