「西の果てまで、シベリア鉄道で -ユーラシア大陸横断旅行記/大崎善生」を読んだ
ほとんどの小説を読み尽してしまった大崎善生氏の作品。ひさびさに出版されたエッセイ旅行記「西の果てまで、シベリア鉄道で -ユーラシア大陸横断旅行記」(中央公論新社)について。
これ、極東ウラジオストックから西端リスボンまで、寝台列車と高速鉄道を乗り継ぎすべて陸路で行くユーラシア大陸横断の旅行記。ハバロフスクでの腐ったピロシキの話とか、シベリア鉄道の無愛想な女性車掌とか、パスポートを落とした日本人女性の話とか、宿泊先のホテルも取らず、何日泊まるかの日程も決めずに、ただ鉄道だけで移動した旅。いいちこやワインやビールをたくさん飲んで、いろんなトラブルに会いながらも、旅の醍醐味を満喫した、まさに究極の大人の贅沢が描かれている。なつかしの猿岩石の旅とは大違い...。
この旅を通して、あの名作「ユーラシアの双子」が生まれたと思うけど、この小説に出てくるエピソードが実際に起きていたことなんだと、この旅行記を読んで知った。
で、自分がこの旅行記で行ったことがある場所は、出張で行ったベルリン<#1/#2>だけ。ベルリンの壁の残骸、ドイツ連邦議会議事堂、ブンデンブルク門、同性愛者への弾圧の慰霊碑とか。美味しかったピルスナーのビール、ソーセージ、酢キャベツ、シュニッツェル、そしてアイスバインとか。そんなことを思い出せた。やっぱりにどっかに行きたくなってきた。
cf.大崎善生 読破 List
- 将棋の子 (2001)
- パイロットフィッシュ (2001)
- アジアンタムブルー (2002)
- 九月の四分の一 (2003)
- ドナウよ、静かに流れよ (2003)
- ロックンロール (2003)
- 孤独か、それに等しいもの (2004)
- 別れの後の静かな午後 (2004)
- ドイツイエロー、もしくはある広場の記憶 (2005)
- 優しい子よ (2006)
- タペストリーホワイト (2006)
- 傘の自由化は可能か (2006)
- スワンソング (2007)
- ディスカスの飼い方 (2009)
- 存在という名のダンス (2010)
- Railway Stories (2010)
- ランプコントロール (2010)
- ユーラシアの双子 (2010)
- 西の果てまで、シベリア鉄道で -ユーラシア大陸横断旅行記 (2012)
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