「PK/伊坂幸太郎」を読んだ
ずっとハマって読んでいる作家のひとり伊坂幸太郎氏。今年の3月に刊行された「PK」(講談社)。世田谷中央図書館でやっと借りれたので、読んでみた。
これ、「PK」「超人」「密使」からなる未来を描いた3つの話。それぞれ、こんなあらすじ。
・「PK」:
作家は自分の書いた小説の修正を求められ、サッカー選手小津はPKを決めるなと脅され、大臣は偽証を強要される。自分の信念がなんなのかを試されていく...。
・「超人」:
子供のころマンションから落ちた本田毬夫が、将来犯罪を犯す人々を殺人していることを三島に告白し、落ちた本田とひさしぶりに面会した大臣はそれを認める。過ちを認めることからすべてが始まっていく...。
・「密使」:
密使であるゴキブリを過去に送りこむことで、未来の災厄を防ぐことができる。最初のドミノを倒すためになにをすべきなのか...。
過去、現在、未来がそれぞれの話で入り混じり、登場人物も微妙に重なり、個人的には混乱した3部作だったというのが正直な読後感。それでもその決断が未来を変えることができるという夢と意思にあふれた小説だったと思う。で、この小説で響いた言葉をピックアップしてみる。
「たとえば、未来は素晴らしい、と子供に教えるのと、未来は暗い、と正直に教えるのとではどちらがいいのか」
「決断を求められる場面が、人には突然、訪れる。勇気の量を試される。」
「子供たちに自慢できるほうを選べばいいんだから。」
「臆病は伝染する。そして、勇気も伝染する。」
難しい小説だったけど、伊坂幸太郎さんの言葉はじわっと染みました。いつかもう一度読んでみたいと思った。
cf.伊坂幸太郎 読破 List
- オーデュボンの祈り (2000/2003)
- ラッシュライフ (2002/2005)
- 陽気なギャングが地球を回す (2003/2006)
- 重力ピエロ (2003/2006)
- アヒルと鴨のコインロッカー (2003/2006)
- チルドレン (2004/2007)
- グラスホッパー (2004/2007)
- 死神の精度 (2005/2008)
- I LOVE YOU/伊坂幸太郎・石田衣良・市川拓司・中田永一・中村航・本多孝好 (2005/2007)
- 魔王 (2005)
- 魔王(文庫) (2008)
- 砂漠 (2005/2008)
- 終末のフール (2006)
- 陽気なギャングの日常と襲撃 (2006)
- フィッシュストーリー (2007)
- 絆のはなし/伊坂幸太郎x斉藤和義 (2007)
- ゴールデンスランバー (2007)
- 実験4号 -後藤を待ちながら (2008)
- Re-born はじまりの一歩/伊坂幸太郎・瀬尾まいこ・豊島ミホ・中島京子・平山瑞穂・福田栄一・宮下奈都 (2008)
- モダンタイムス (2008)
- あるキング (2009)
- SOSの猿 (2009)
- オー!ファーザー (2010)
- バイバイ、ブラックバード (2010)
- 『バイバイ、ブラックバード』をより楽しむために ポスタル・ノベル編 (2010)
- マリアビートル (2010)
- 文藝別冊 総特集 伊坂幸太郎 (2010)
- 3652-伊坂幸太郎エッセイ集- (2010)
- PK (2012)
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