「さらば雑司ヶ谷/樋口毅宏」を読んだ
長野出張中、松本駅ビルの本屋で、ちょっと前から気になってた樋口毅宏氏の「さらば雑司ヶ谷」(新潮文庫)を発見。早速読んでみた。
こんな話。太郎は、中国から久しぶりに日本・雑司ヶ谷に戻ったが、そこで友人・京介が死んだことを知る。大都会に隣接する雑司ヶ谷でゆがんだ青春を送った太郎だが、怪しげな宗教団体"泰幸会"を牛耳っている祖母の泰から、「2ヶ月前の大雨の際、下水道の水量急増が原因で、作業員5人が死んだのだが、この事故には裏があるようなので、隠された真相を究明しろ」という仕事を依頼される...。
アイデンティティーの崩壊、自虐願望、危険な妄想を抱えた主人公"太郎"を取り囲む宗教団体、中国マフィア、耳のない男の存在。そしてこの物語を彩る、オザケン(小沢健二)、レザボア・ドッグ、ガンバルマン、市川雷蔵主演の古い映画"忠直卿行状記"...といった一見無関係な逸話に、思いっきりフックした。ともかく、めちゃめちゃ刺激的な内容だった。
この本の巻末に樋口毅宏氏がオマージュをささげた作品や人物が書かれている。まさに同世代が培った体質や要素にあふれてる。
==引用開始==
『不夜城』と『私が殺した少女』にリスペクトを。
他に、開高健、『池袋ウエストゲートパーク』(ドラマ)、高倉健、『そして、ひと粒のひかり』、佐野元春、『グラップラー刃牙』『サンセット大通り』、藤本義一、『さくらの唄』、つかこうへい、『カメレオン』(マンガ)、『見えないドアと鶴の空』、『人間交差点』、芥川龍之介、『ドランクモンキー 酔拳』『遺書配達人』、中島みゆき、『闇の子供たち』、ランボー詩集、『悲劇の誕生』、夏岡彰、『LOST』、荒川徹、『北斗の拳』、Q・タランティーノ、『嘔吐』、みうらじゅん、『昭和の劇 映画脚本家 笠原和夫』、ZIGGY、『ぼくは微動だにしないで立ち尽くす』、増井修、『幕張』、『ねじまき鳥クロニクル』、山崎洋一郎、『ロッキング・オン』のM.I.A.インタヴュー、『ニャン2倶楽部Z』、『仮名手本忠臣蔵』、保阪尚輝、『花王名人劇場』で鹿賀丈史が出演したドラマ、北野大、『ビヨンド・ザ・マット』、平井夏美、『CUT』の石岡瑛子インタヴュー、ローリング・ストーンズ、シェークスピア、コーネリアス、浜田省吾、『わが谷は緑なりき』、バービー・ボーイズ、『虐げられた人びと』、電気グルーヴのオールナイト・ニッポン、山口絵里子、『さらば、わが青春の少年ジャンプ』、松本隆、『奇子』、鹿野淳、円谷幸吉と川端康成、『男樹』、GREAT3、『渋谷陽一の社長はつらいよ』、『ベイエリア在住町山智宏アメリカ日記』、ウィキペディアやgoo映画、他のサイトなどなど。(順不同)
それでは続編『雑司ヶ谷R.I.P』でお会いしましょう。
==引用終了==
これに1つでもひっかかった方、絶対後悔しないので、ぜひ読んでみましょう...。
cf.樋口毅宏 読破 List
- さらば雑司ヶ谷 (2009)
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