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Wednesday, July 18, 2012

「仙台ぐらし/伊坂幸太郎」を読んだ

Kotaroisaka_sendaigurasi ずっと読んでいる作家のひとり伊坂幸太郎氏。世田谷中央図書館でやっと借りれた「仙台ぐらし」(荒蝦夷)について。
 これ、地域の雑誌社 有限会社荒蝦夷が刊行している「仙台学」の1号から10号まで(2005-2010年)の連載されたエッセイ、震災後に書かれた「いずれまた」「震災のあと」「震災のこと」の3つのエッセイ、そして、書き下ろし短編小説「ブックモビール a bookmobile」などが収録された一冊。
 で、震災前に書かれた文書と、震災後に書かれた文書の対比が改めて凄い。震災前に、心配事の1つに宮城沖地震について触れているところに、なにか見えないつながりを感じざるを得ない。そして震災後に書かれた文章には、仙台に住む伊坂幸太郎さんの苦悩や迷いや無力感やどう立ち上がろうかの思いがにじみ出ていた。特に2011年8月に書かれた「震災のこと」という文章を、「僕は、楽しい話を書きたい」という言葉で最後をしめた伊坂さんに並々ならない決意を感じた。
 そして、書き下ろし短編小説「ブックモビール a bookmobile」。これ、宮城県沿岸を舞台に被災地をゆく移動図書館の話。ちょっとだけ伊坂さんらしく、人間味あふれるスリ師が出てきたり、興味本位で被災地を訪れた映画監督に怒りの叫びを投げかけたりと、なんとかやっていこうとする伊坂幸太郎さんの姿が浮かんできた。
 実は仙台在住の伊坂さんがあの震災について、どう思い、どう感じ、どう過していたかが、ずっと気になってた。未曾有の大震災を経て、原発は再稼動されて、いまだにどこかしっくり行ってない今日この頃。改めて自分ができることはなにかを考えさせられる本でした。

cf.伊坂幸太郎 読破 List
- オーデュボンの祈り (2000/2003)
- ラッシュライフ (2002/2005)
- 陽気なギャングが地球を回す (2003/2006)
- 重力ピエロ (2003/2006)
- アヒルと鴨のコインロッカー (2003/2006)
- チルドレン (2004/2007)
- グラスホッパー (2004/2007)
- 死神の精度 (2005/2008)
- I LOVE YOU/伊坂幸太郎・石田衣良・市川拓司・中田永一・中村航・本多孝好 (2005/2007)
- 魔王 (2005)
- 魔王(文庫) (2008)
- 砂漠 (2005/2008)
- 終末のフール (2006)
- 陽気なギャングの日常と襲撃 (2006)
- フィッシュストーリー (2007)
- 絆のはなし/伊坂幸太郎x斉藤和義 (2007)
- ゴールデンスランバー (2007)
- 実験4号 -後藤を待ちながら (2008)
- Re-born はじまりの一歩/伊坂幸太郎・瀬尾まいこ・豊島ミホ・中島京子・平山瑞穂・福田栄一・宮下奈都 (2008)
- モダンタイムス (2008)
- あるキング (2009)
- SOSの猿 (2009)
- オー!ファーザー (2010)
- バイバイ、ブラックバード (2010)
- 『バイバイ、ブラックバード』をより楽しむために ポスタル・ノベル編 (2010)
- マリアビートル (2010)
- 文藝別冊 総特集 伊坂幸太郎 (2010)
- 3652-伊坂幸太郎エッセイ集- (2010)
- 仙台ぐらし (2012)
- PK (2012)

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