「ファントム・ピークス/北林一光」を読んだ
三茶Tsutayaを徘徊中、"宮部みゆき氏絶賛"という太文字にちょっとひっかかって読んでみた北林一光さんの「ファントム・ピークス」(角川文庫)について。
こんなあらすじ。舞台は長野県安曇野。半年前、山で行方不明となった妻の頭蓋骨が見つかった。三井周平は悲嘆に暮れながらも、遭難場所から遠く離れた場所で発見されたことに疑問を持つ。あれほど用心深かった妻がなぜ山で遭難してしまっかたのか、周平は納得できなかった。その数週間後、沢で写真を撮っていた女子大生が行方不明になるという事件が起きた。それは恐るべき惨劇の始まりだった...。
これ、惨劇をくりかえす山に潜む魔物と対峙するパニックホラー。自然を追い詰め、邪険にしてきた人間が、自然に追いつめられるという輪廻が描かれている。
で、この小説がとても興味深かったのは、その舞台が長野県安曇野であること。小説に出てくる地名が、「常念岳」とか「穂高町」とか「砂防ダム公園」とか「烏川林道」とか「本沢」とか「崩沢」とか「堀金村」とか「豊科日赤病院」とか「豊科警察署」とか「須砂渡ダム」とかとか...。実在する地名かどうかわからないけど、月に一度は必ず安曇野に出張しているので、なんか親近感がわく。で、自分自身は安曇野の山に登ったことはないけど、いつかチャンスがあればと思っていた。パニックホラーだけど、いろんな意味で面白かった。
ちなみにこの作者である北林一光さんは、この小説を書いてお亡くなりになっている。ご冥福をお祈りします。
cf.北林一光 読破 List
- ファントム・ピークス (2007)
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