「ヒトリシズカ/誉田哲也」を読んだ
ずーっと読み続けてる誉田哲也氏。今回は三茶のTsutayaで買って読んでみた「ヒトリシズカ」(双葉文庫)について。
こんな話。時も場所も違ったところで、起きた5つの殺人事件。その背後に見え隠れする伊東静加という女性の影。見えそうで見えず、手が届きそうで届かない。すり抜ける彼女を追いかける警察ミステリー。
これ、「闇一重(やみひとえ)」、「蛍蜘蛛(ほたるぐも)」、「腐屍蝶(ふしちょう)」、「罪時雨(つみしぐれ)」、「死舞盃(しまいさかずき)」、「独静加(ひとりしずか)」という5つの短編小説と思って読みだしたんだけど、一人の女性"伊東静加"の周囲で起こる連作小説だった。で、読んでるうちに、その伏線があまりに多すぎて頭がこんがらがったんだけど、最後の話「独静加(ひとりしずか)」で、シュッとまとまってる。彼女に降りかかったひどい幼少期の過酷な体験や環境から、どんどん残虐になっていく。でも、その終わり方もある意味、幸福な状況だったと思う。
で、読後感としては、東野圭吾さんの「白夜行」を連想するような社会に対する恨みがひしひしと伝わってきた。面白かったです。
cf.誉田哲也 読破 List
- 妖の華 (2003/2011)
- アクセス (2004)
- 春を嫌いになった理由 (2005)
- 疾風ガール (2005)
- ジウI 警視庁特殊犯捜査係 (2005)
- ストロベリーナイト (2006)
- ジウII 警視庁特殊急襲部隊 (2006)
- ジウIII 新世界秩序 (2006)
- 月光 (2006)
- ソウルケイジ (2007)
- 武士道シックスティーン (2007)
- 国境事変 (2007)
- シンメトリー (2008)
- 武士道セブンティーン (2008)
- ヒトリシズカ (2008)
- ガール・ミーツ・ガール (2009)
- 武士道エイティーン (2009)
- ハング (2009)
- インビジブルレイン (2009)
- 世界でいちばん長い写真 (2010)
- 歌舞伎町セブン (2010)
- 感染遊戯 (2011)
- レイジ (2011)
- ドルチェ (2011)
- あなたの本 (2012)
- 誉田哲也 All Works/誉田哲也(監修) (2012)
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