「二十五の瞳/樋口毅宏」を読んだ
すっかり気にいってしまった樋口毅宏氏。続いて、「二十五の瞳」(文藝春秋)も世田谷中央図書館で借りて読んでみた。
こんな話。小豆島には、恋人を別れさせる一方、気に入った恋人は永遠に添い遂げさせるという伝説の謎の生物ニジコがいた。このニジコをめぐり、かつて恋人同士だった中国人起業家と有名女性ニュースキャスターが再会する話「あらかじめ失われた恋人たち」、映画"二十四の瞳"の高峰秀子にインスパイアされた「『二十四の瞳』殺人事件」、朝鮮併合という時代の荒波の中、尾崎放哉と澁澤榮一をめぐる因縁の物語「酔漢が最後に見たもの」、311と原子力発電所のように欺瞞にあふれた製造所が引き起こした公害がテーマの「二十五の瞳」の4つの事件と悲恋が描かれる。さらには、「序章 小豆島へ行くつもりじゃなかった」と「終章 そして修業の日々は続く」で、樋口毅宏ご自身も登場する...。
この小説も例によって、いろんな要素がハチャメチャに使われて、最後は大ボラが仕込まれた1冊。映画監督の木下恵介、黒澤明、放浪の俳人・尾崎放哉、そしてマンガ"三つ目がとおる"などなど、ヒップホップ的手法でこんな要素が溶け込んで、ありえない結論を導いてる。
ともかく、この「二十五の瞳」も最高だった。ほんと、樋口毅宏さんは凄い。「日本のセックス」と「テロルのすべて」もおいおい読んでいこう。
cf.樋口毅宏 読破 List
- さらば雑司ヶ谷 (2009)
- 民宿雪国 (2010)
- 雑司ヶ谷R.I.P. (2011)
- 二十五の瞳 (2012)
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