「天使の囀り/貴志祐介」を読んだ
ひょんなことから手に入れた貴志祐介氏の「天使の囀(さえず)り」(角川書店)。せっかくなんで読んでみた。
こんなあらすじ。ホスピスで終末期医療に携わる精神科医の"北島早苗"。彼女の恋人で作家の"高梨"は、病的なまでの死恐怖症だったが、新聞社主催のアマゾン調査隊に参加してからは、人格が異様な変容を見せ、あれほど怖れていた「死」に魅せられたように、自殺してしまう。さらに、調査隊に参加した他のメンバー達も、次々と異常な方法で自殺を遂げていることがわかる。アマゾンで、いったい何が起きたのか...。
クモ恐怖症のひきこもり気味のおたく青年、子供が亡くなることに極度の心配を駆られていた女性写真家、前歯にコンプレックスを感じて口をあけて笑えない女性などなどが、異常な死に様で自殺していく事件が勃発し、そこに密林アマゾンでの調査や、コンプレックスを改善する自己改革セミナーが絡んで物語が進んでいく。原因究明のプロセスは混沌をきし、その死に様はあまりで異様で、相当気味悪いもの。最後まで異様な光景が続いていき、読むのをやめたいけどやめられないという病根まみれの小説だった。
この「天使の囀り」は角川ホラー文庫にもなっていたようだけど、すでに絶版状態。確かに異様すぎて、グロすぎて、これが売れるとは思えない。ただ、貴志祐介氏の小説を読んだのは初めてだったけど、なかなか気になる。他の小説も読んでみようかな...。
cf.貴志祐介 読破 List
- 天使の囀り (1998)
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