「ピース/樋口有介」を読んだ
Tsutayaの三茶で平積みされ、手書きPOPでやけにプッシュされてた樋口有介さんの「ピース」(中公文庫)。せっかくなんで読んでみた。
こんな話。舞台は埼玉県北西部の秩父の田舎町。元警察官で初老のマスターと寡黙でミステリアスは青年が切り盛りするスナック"ラザロ"には、単身赴任中のセメント会社の社員や写真家や地方新聞社の女性記者ら常連客が毎晩のように通ってくる。そんな"ラザロ"の周辺で、ひと月に二度もバラバラ殺人事件が発生した。被害者は歯科医と"ラザロ"の女性ピアニストだと判明するが、捜査は難航し、3人目の犠牲者が出てしまう。定年間近のベテラン刑事は被害者3人の右手にある特徴を発見する...。
読後感としては、正直、消化不良と「なんで?」という余韻が残るものの、ひとくせもふたくせもある登場人物が、この小説の良さ。誰もかれもがあやしくて、ボロボロな過去を背負って、秩父に流れ着いた人ばかり。これがよかった。
で、ともかく子供たちがピース!ピース!とやっている表紙カバーの絵が不気味になるのがミソ。そんな小説だった。
cf.樋口有介 読破 List
- ピース (2006)
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