「君と一緒に生きよう/森絵都」を読んだ
「お願いです。いつかあなたが犬を飼うなら、行き場のない犬の里親になってあげて。」こんな帯の言葉を三茶のTsutayaでみつけ、読んでみた森絵都さんの「君と一緒に生きよう」(文春文庫)について。
捨てられたり、野良犬になったり、飼い主とはぐれたりした犬が保健所の回収車に拾われ、最終的に殺処分される犬たち。そんな犬たちがたまたまの奇跡で飼い主にめぐり合う1頭に対して、50頭の犬たちは処分されていく。はかない命を救うために奔走する人々の姿を描いたノンフィクションがこれ。
自分たちの勝手な都合で犬を捨てる飼い主もいれば、不幸にして飼い主が亡くなってしまい、どうしようもなく保健所に回されてしまうケース。いろんなケースがあるんだけど、本当に痛ましい。そんな不幸を背負ってしまった犬をボランティアの人々が引取り、手当をし、病院につれていき、里親探しをし、幸せになっていく話もあれば、そうでない現実がほとんど。
中でも悲惨だったのは、ブリーダー崩壊の話。今のペットブームに乗り、犬を産ませまくり、その果てに経営が立ち行かなくなったブリーダーが崩壊する話は凄まじかった。糞尿と病気と餓死寸前の53匹の子犬たちを救出するため、持って行ったケージに次々を犬たちを入れ、ワゴン車に運びこむ。その保護先では、ボランティアのスタッフやトリマーや獣医が待ち受け、痛みと痒みと空腹と悪臭の中でなんとか生きてきた犬たちをケアする話は、山手線で読んでいたんだけど、涙が止まらなくなった。
このノンフィクションの凄さは、本書の最後に、作者であり、実際捨て犬の里親である森さん自身が保健所の殺処分に立会い、その一部始終を自分の目で見た章。保健所で拾われた犬たちが最後にガス室に送られる。保健所の人々も涙を流しながら、死んだかどうかを確認しているという。たいした罪悪感も持たずに気軽に命を捨てる人にこそ、その場に立ち会って欲しいと思った。
小学生のころ飼っていたポチ、中学生のころ飼っていたケースケ、そして今飼っているLoveとPeace。こっちがどんなに疲れていても、凹んでいても、そばに寄ってきて、顔をなめてくれる。ひざにのせてくれとせがまれ、大好きなかぼちゃをあげると狂喜して喜び、なでたり、散歩に行くと笑ってくれる。そんな彼らの無償の愛に、どんだけ癒してもらったことか...。絶対手離しちゃいけない。
いつか行き場のない犬たちの里親になるかどうかはまったくわからないけど、動かされた1冊だった。
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