「殺人鬼フジコの衝動 限定版/真梨幸子」を読んだ
ちょっと気になってた真梨幸子さんの「殺人鬼フジコの衝動」。せっかくなんで世田谷中央図書館で「殺人鬼フジコの衝動 限定版」(徳間文庫)を借りて読んでみた。ちなみに今回借りたのは"限定版"ということで、短編「私は、フジコ」と2冊セットになっている。
まずは「殺人鬼フジコの衝動」。こんなあらすじ。給食費も払えず、体操着などは妹と共有といったひどい虐待を受けながら育った少女フジコ。両親と妹が何者かに惨殺されるという一家惨殺事件のただひとりの生き残りとしてフジコは、優しい叔母に引き取られ、新しい人生を歩み始めた。しかしフジコの人生はしだい始め、狂気に向かって転落していった...。
そしてもう1冊の短編「私は、フジコ」。こんなあらすじ。元アイドルでAVにも出ていた小川ルミは、再現ドラマのチョイ役で生計を立てていた。そんな小川ルミに初めて主役の話が舞い込み、"殺人鬼フジコ"を演じることになったのだ。フジコは15人も殺害した平成の鬼女として、世間で大きく騒がれた犯罪者だった...。
ともかくこの小説はひどい...。フジコに対する虐待やいじめや暴力がこれでもかと続き、そのフジコが大人になり、大嫌いだった母親にどんどん似ていき、虐待やいじめを行っていく。なぜ虐待された子供は、同じように虐待をしてしまうのか。バレなきゃいいと考え、チツジョという言葉のもと、自己を正当化してき、惨殺を繰り返していく。業というカルマが重く圧し掛かってる。あまりにグロい...。
あー、ここまで酷くて、読んでて不愉快になる小説はひさびさだ。酷い酷いと思いつつも、どんどん引き込まれてイッキに読んでしまった。うーん、「インタビュー・イン・セル 殺人鬼フジコの真実」も読んでしまおう。嫌だけど...。
cf.真梨幸子 読破 List
- 殺人鬼フジコの衝動 限定版 (2008)
- Happy Box/伊坂幸太郎・山本幸久・中山智幸・真梨幸子・小路幸也 (2012)
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