「横道世之介/吉田修一」を読んだ
ちょいちょい読んでる作家のひとり、吉田修一さん。最近も読んだ「平成猿蟹合戦図」に続き、世田谷中央図書館で借りて読んでみた「横道世之介」(文春文庫)について。
こんなあらすじ。大学進学のため長崎から上京した18歳の"横道世之介"。愛すべき押しの弱さと隠された芯の強さで、様々な出会いと笑いを引き寄せる世之介の1年間。大学に入り、サークルに入り、友達の結婚と出産に立ち会い、学祭でサンバを踊り、徹夜でバイトをし、お嬢様に出会って恋に落ち、自分が夢中になれるものを探していく...。
入学、ゴールデンウィーク、梅雨、夏休み、学園祭、クリスマス、正月...。主人公"横道世之介"のなんでもない1年を通じて、お気楽な日常生活を追いつつ、読んでいくんだけど、そのさりげない日々にジーンとしてしまう。しかも、登場人物の20年後がちょいちょい挿入されるんだけど、その乖離が痛いし、切ない。特に最後の「東京」の章は、くるりの名曲「東京」とかぶり、あまりに切ない。
ねるとん、Jトリップバー、ダンパのパー券、学祭、バイト...。80年代、モロ大学生をやってた頃の自分やその時つきあってた友達のことを思い出し、あの時感じたことを思い出し、あの時そうなりたかった人生と今の人生を考えたりしながら、イッキに読んでしまった。映画化されるようだけど、映画館には行かず、本の世界のままでとじておきたいと思いました。
80年代の高校生、大学生だった世代の人、きっとハマると思います。
cf. 吉田修一 読破 List
- パレード (2002)
- パーク・ライフ (2002)
- 日曜日たち (2003)
- ランドマーク (2004)
- 春、バーニーズで (2004)
- 静かな爆弾 (2006)
- 初恋温泉 (2006)
- 悪人 (2007)
- あの空の下で (2008)
- 横道世之介 (2009)
- 平成猿蟹合戦図 (2011)
- 太陽は動かない (2012)
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