「平成猿蟹合戦図/吉田修一」を読んだ
ちょいちょい読んでる作家のひとり、吉田修一さん。世田谷中央図書館で借りて読んでみた「平成猿蟹合戦図」(朝日新聞出版)について。
こんなあらすじ。新宿で起きた轢き逃げ事件。韓国クラブのバーテンダー"浜本純平"は、現場にいた男と自首して逮捕された男が別人物だと気づいたが、調査をしてみると、真犯人は世界的チェロ奏者の"湊圭司"で、その兄が身代わりで罪を被っていたことがわかった。単なる思いつきで湊をゆすった純平は、図らずもその事件の裏に潜んでいた巨悪に立ち向かうことになってしまう...。
赤ん坊を連れて五島列島から上京してきた"美月"、その旦那のホストでフラフラ生活していた"朋生"、韓国クラブのバーテンダー"浜本純平"、バーテンダーから国会議員選に立候補することになった"純平"、世界的チェロ奏者の"湊圭司"、韓国クラブのママ"美姫"、弟の身代わりで刑務所に入った父を持つ"友香"、そして秋田に一人暮らす湊の祖母"サワ"、湊のマネージェーで政治家の秘書を志す"夕子"...。主役と脇役がどんどん入れ替わり、それぞれがいろんな過去を抱えていて、心情や人間模様がとても複雑でついていくのに必死だった。けど、後半はバラバラにみえた人たちがだんだんと重なりだし、最後は大きなうねりが生まれていった。
ここ最近、景気とかビジネスとかその他モロモロ、明るい未来が描きづらい状況だけど、なんかスカッとできた1冊。それにしても96歳のサワさんの存在とキャラは最高だった。自分もそんなじーさんになりたい。
cf.吉田修一 読破 List
- パレード (2002)
- パーク・ライフ (2002)
- 日曜日たち (2003)
- ランドマーク (2004)
- 春、バーニーズで (2004)
- 静かな爆弾 (2006)
- 初恋温泉 (2006)
- 悪人 (2007)
- あの空の下で (2008)
- 平成猿蟹合戦図 (2011)
- 太陽は動かない (2012)
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