「7月24日通り/吉田修一」を読んだ
ここ最近集中的に読んでいる吉田修一さん。世田谷中央図書館で借りて読んだ「7月24日通り」(新潮文庫)について。
こんなあらすじ。地方在住で、彼氏もおらず、地味で目立たないOLの"小百合"は、港が見える自分の町をリスボンに見立てていることがひそかな愉しみだった。異国気分で"7月24日通り"をバス通勤し、退屈な毎日をやり過ごしていた。そんな中、同窓会の知らせが届き、高校時代一番人気で片思いだった"聡史"も東京から帰ってくるらしい...。
これ、イケてないと自分でもわかってる主人公が、勇気を出して前に踏み込んでいく話なんだけど、読んでて正直ツラかった。自分の住む町をリスボンだと夢想し、自分のかっこいい弟とつきあってる女性に同情しつつも、激しい嫉妬心をあらわにし、会社上司の夫婦の愚痴を聞くものの思ってることを言えず、あこがれの先輩につきあえず、さえない男に言いよられてしまう。主人公の失敗したくない気持ちとか、嫉妬心とか自分を守る気持ちとかはがゆさに共感できるんだけど、どうしてもイラっとしてしまう。
ま、最後はあえて間違ったことを選び、きっとそれを乗り越えていい女になっていきそうな予感で終わるのがよかったけどね...。うーん、正直、この本は無理だった...。
cf. 吉田修一 読破 List
- パレード (2002)
- パーク・ライフ (2002)
- 日曜日たち (2003)
- ランドマーク (2004)
- 7月24日通り (2004)
- 春、バーニーズで (2004)
- 静かな爆弾 (2006)
- 初恋温泉 (2006)
- 悪人 (2007)
- あの空の下で (2008)
- キャンセルされた街の案内 (2009)
- 横道世之介 (2009)
- 平成猿蟹合戦図 (2011)
- 太陽は動かない (2012)
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