「虚像の道化師 ガリレオ7/東野圭吾」を読んだ
ちょいちょい読んできた東野圭吾さんの小説。世田中央谷図書館でやっと借りれて読んでみた「虚像の道化師 ガリレオ7」(文藝春秋)について。
これ、ガリレオシリーズ第7弾。こんな4つの短篇が収録されている。
・「第一章・幻惑す(まどわす)」:
週刊誌の取材を受けていた宗教法人"クアイの会"の本部のビルで、宗教法人の第五部長が5階の窓から転落死した。教祖の"連崎至光"に資金横領を問い詰められた第五部長が自ら飛び降りたような事件だったが、連崎は自分が念を送ったことが原因だと主張し、警察に出頭してきた...。
・「第二章・心聴る(きこえる)」:
OL"脇坂睦美"は、最近自分にしか聞こえない羽虫が飛び回るような音に悩まされていた。そんな中、睦美の上司"早見達郎"が自宅マンションのベランダから飛び降りて死亡する事件が発生した。飛び降りる前の早見の行動に不審な点が多いことから、捜査一課の"草薙"と"内海"が捜査を進めたが、殺人と決定付ける根拠は無いまま捜査は終了した。その後、草薙はたまたま訪れた病院で、発狂して暴れ回る男と遭遇し、ナイフで刺されてしまう...。
・「第三章・偽装う(よそおう)」:
山中のリゾートホテルで開かれる大学時代の友人の結婚式に出席する物理学者の"湯川"と捜査一課の"草薙"。そんな中、ホテルに向かう途中、車がパンクし、雨が降る中でタイヤを交換する湯川と草薙に傘を貸してくれた"桂木多英"の両親が、ホテルの上にある別荘で惨殺された状態で発見された。多英の父"武久"は散弾銃で殺害された状態でロッキングチェアに座っており、母"亜紀子"は扼殺されて横たわっていた...。
・「第四章・演技る(えんじる)」:
劇団"青狐"主宰の"駒井良介"が自宅で刺殺された。駒井を刺した劇団女優"神原敦子"は、駒井の携帯電話をアリバイ工作に利用する。敦子は、衣裳係との打ち合わせの途中に駒井からの着信があったようにし、駒井の遺体の第一発見者となり、さらに携帯で撮影された花火の写真の時刻により、あたかも駒井が敦子に電話を掛けた時点で殺害されたように見せかけていく...。
これ、物理学者"湯川学"が活躍するガリレオシリーズの短編集。超常現象とも思われる不可解な事件を科学によって解決していくというもの。今回も宗教者の念とか、幻聴とか、散弾銃による殺人現場とか、携帯電話や花火を使ったアリバイトリックとかを、冷静に解明していく。物理が苦手な人間でも、感心しつつも軽く楽しめるのがいい。これからもちょいちょい読んでいきたいシリーズです。
cf. 東野圭吾 読破 List
- ブルータスの心臓 (1989)
- 回廊亭殺人事件 (1991)
- 美しき凶器 (1992)
- パラレルワールド・ラブストーリー (1995)
- 悪意 (1996)
- 秘密 (1998)
- 白夜行 (1999)
- 予知夢 (2000)
- レイクサイド (2002)
- 時生 (2002)
- 幻夜 (2004)
- さまよう刃 (2004)
- 容疑者Xの献身 (2005)
- 赤い指 (2006)
- 流星の絆 (2008)
- プラチナデータ (2010)
- 白銀ジャック (2010)
- 麒麟の翼 (2011)
- 真夏の方程式 (2011)
- マスカレード・ホテル (2011)
- 虚像の道化師 ガリレオ7 (2012)
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