「さや侍」を観た
松本人志監督作品第3弾、「さや侍」(2011/Cinema)を観た。
こんな話。事情により刀を捨てた武士"野見勘十郎"(野見隆明)。未練がましくいまだ鞘だけ腰にさし、一人娘の"たえ"(熊田聖亜)と旅を続ける野見は、賞金首になりながら脱藩者として追われる身であった。やがて囚われの身となり、切腹を言い渡されるが、多幸藩藩主は変わり者で、勘十郎に対して奇抜な試練を与えた。それは"三十日の業"というもので、母を亡くした悲しみで笑顔を忘れてしまった若君(清水柊馬)に対し勘十郎が一日一芸を披露し、その間に笑わせることができたら無罪放免、できなければ切腹というものだった...。
"三十日の業"が始まって、勘十郎が毎日ギャクをするんだけど、これがまったく笑えないギャグばかり。ラスト30日目の風車まわしで、若君がニコっとするかと思ったら、まったく笑わない。最後の最後でもう1回チャンスを与えられた辞世の句で面白いことを言って無罪放免になるかと思ってたらそれもなく、あっけなく切腹が執行された。そんな展開なんだけど、これがなかなか味わい深い。特に勘十郎がたえにあてた手紙で、♪巡り巡り巡り巡って あなたが父の子に産まれた様に 巡り巡り巡り巡って いつか父があなたの子に産まれるでしょう 巡り巡り巡り巡って ただそれだけですがそれが全てです♪が歌われる。ちょっとうるっときてしまった。
加えて、ド素人の野見隆明と子役の熊田聖亜の演技力の差も面白かった。うーん、この映画、案外味わいぶかかった...。
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