「ALONE TOGETHER/本多孝好」を読んだ
ぼちぼち読んでる本多孝好さんの作品。三茶Tsutayaで買って読んでみた「ALONE TOGETHER」(角川文庫)について。
こんなあらすじ。3年前に医大を辞め、不登校児を集めた塾でバイトしている"僕"は、当時医大で師事していた教授から、「私が殺した女性の娘さんを守って欲しい」という突然の依頼を受けた。僕は、他人の波長にシンクロしてしまう能力を持っており、同時にその能力は人を傷つける呪いでもあった...。
これ、人の波長にシンクロし、その人の深層心理をえぐり出し、その結果その人を傷つけてしまう能力を持つ主人公の話。自分でもわかっていなかった心の奥底にある思いがさらけ出されることで、その人がなぜそのような行動をしているのかをあぶり出していき、傷つけてしまうというもの。他人ならずも自身の思いもわかってしまうということで、自分を含めて関係者がみなぎくしゃくしてしまう様を、透明感ある文体で描かれている。人と人はどこまで分かりあえるのかがテーマになっている。
親との関係、恋人との関係、バイトでの同僚との関係、生徒との関係、隣人との関係、そして自分の行動のよりどころ...人と自分の本音を知ることで、どのように向き合って、落とし前をつけるのかを考えさせられる一冊だった。
cf. 本多孝好 読破 List
- ALONE TOGETHER (2000)
- MOMENT (2002)
- I LOVE YOU/伊坂幸太郎・石田衣良・市川拓司・中田永一・中村航・本多孝好 (2005/2007)
- Fine Days (2006)
- 正義のミカタ I'm a loser (2007)
- チェーン・ポイズン (2008)
- WILL (2009)
- at Home (2010)
- ストレイヤーズ・クロニクル ACT-1 (2012)
- ストレイヤーズ・クロニクル ACT-2 (2012)
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