「ルック・バック・イン・アンガー/樋口毅宏」を読んだ
去年2012年読んだ本の中で結構気にいってしまった作家の樋口毅宏さん。今回世田谷中央図書館で借りて読んでみた「ルック・バック・イン・アンガー」(祥伝社)について。
これ、「ルック・バック・イン・アンガー」と「四畳半のシェークスピア」という2つの話が入った連作短編集。ともに中小出版社のアダルト雑誌編集部を舞台にした血と暴力、性欲と死、倒錯、加虐嗜好などの破滅的変態の生活と青春を描いたもの。ゆがみまくった欲望、目を背けたくなる暴力と虐待、その先にある異常さを極めた者が神となり君臨するという異常な世界を描きつつ、鬱屈した青春時代をこれでもかと書かれまくってた。
樋口毅宏さんはコアマガジン、白夜書房で編集者として勤めたのち、「さらば雑司ヶ谷」でデビューしたんだけど、どこまでが実態かどうかわからいものの、彼が過ごした世界を描いたんだと思う。
「イギー・ポップは、ステージで上半身裸になって、ガラスの破片の上を転がったんだ。信じられるか? だからビートルズよりSTOOGESのがエラいバンドなんだ...」こんなサブカルも程よくRemix。満員電車の中で熟読はできなかったけど、ついつい最後まで読んでしまう1冊だった。
cf. 樋口毅宏 読破 List
- さらば雑司ヶ谷 (2009)
- 民宿雪国 (2010)
- 雑司ヶ谷R.I.P. (2011)
- 二十五の瞳 (2012)
- ルック・バック・イン・アンガー (2012)
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