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Tuesday, June 04, 2013

「MISSING/本多孝好」を読んだ

Takayoshihonda_missing ぼちぼち読んでる本多孝好さんの作品。世田谷中央図書館で借りて読んでみた本多さんのデビュー短編集「MISSING」(角川文庫)について。
 これ、5つの短編が収録されている。それぞれこんなあらすじ。
 ・「眠りの海」:
 彼女と会ったとき、誰かに似ていると思った。その顔は幼い頃の私と同じ顔をしていた。生徒に対して距離をおいて接していた私が彼女にだけ近づいたのは自然な流れだった。死のうと思って死ねなかった主人公が、海辺で出会った少年に過去を語りながら、事故で死なせてしまった助手席での彼女の行動の真意に気づいていく...。
 ・「祈灯」:
 ベランダに立ち尽くし、夕方の町を見下ろす髪の長い女の子、あだ名は"ユウレイちゃん"。僕の妹"真由子"の友達のユウレイちゃんは、10歳のときに妹を目の前で起きた事故で亡くしたショックから自分のことを「妹」だと思いこむようになっていた...。
 ・「蝉の証」:
 主人公の僕は、月に1、2度の割合で祖母がいる老人施設を訪れていた。そんな僕は祖母から、同じ施設内に暮らす"相川さん"の身辺調査を頼まれてしまった。しかたなく相川さんの調査を始めたところ、相川さんは謎の女子高生のことをずっと気にしていた...。
 ・「瑠璃」:
 主人公の僕には、無鉄砲で無軌道で滅茶苦茶で、4歳年上の"ルコ"という名前の親戚の女の子がいた。瑠璃色眼を目をたルコと僕はいつも一緒になって、謎々をして遊んでいた。そんな夏休みの日、家族が海外旅行に行っている間、僕の家にルコがやってきた...。
 ・「彼の棲む場所」:
 私立図書館勤務の主人公の私は、18年ぶりに高校時代の同級生に再会した。彼は昔と変わらない端正なルックスで私立大学教授で、バラエティーやトーク番組など週に一度はどこかで顔を見かけるほどの有名人になっている...。

 これ、本多孝好さんのデビュー短編集なんだけど、デビュー作の時点から彼らしい透明感あふれる文体の中に切ない内容であふれていた。で、個人的にはよかったのはまずは「蝉の証」。年をとると、死は怖くなくなる。それでも、自分が死んだ後、生きている誰かに自分を思い出して欲しい。蝉があれほど鳴くのは、きっとそういう意味があるんだといったくだりはちょっと切なかった。
 そして「瑠璃」。年上の女性へのあこがれとか、無軌道だけどそんな彼女と一緒にいることで感じる非日常感とか、2人とも大人になっていつのまにか彼女の背を追い越してる感じとか、切ない永遠の別れとかとてもいい。これはいつかもう一度読んでみたいと思った。
 というわけでぼちぼち読んでる本田孝好さん。ずっと変わらない透明感とはかなさがいい。次は本多孝好さんの作品の中では異質なシリーズであり最終巻「ストレイヤーズ・クロニクル ACT-3」を読もうと思う。

cf. 本多孝好 読破 List
- MISSING (1999)
- ALONE TOGETHER (2000)
- MOMENT (2002)
- I LOVE YOU/伊坂幸太郎・石田衣良・市川拓司・中田永一・中村航・本多孝好 (2005/2007)
- Fine Days (2006)
- 正義のミカタ I'm a loser (2007)
- チェーン・ポイズン (2008)
- WILL (2009)
- at Home (2010)
- ストレイヤーズ・クロニクル ACT-1 (2012)
- ストレイヤーズ・クロニクル ACT-2 (2012)

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