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Wednesday, June 26, 2013

「とんび/重松清」を読んだ

Kiyoshishigematsu_tonbi ずーっとジワジワ読んでる重松清さん。今回は世田谷中央図書館で借りた「とんび」(角川文庫)について。
 こんな話。高度経済成長に活気づく昭和三十七年の瀬戸内海に面した街"備後市"が舞台。28歳のトラック運転手の"ヤス"は、待望の長男"アキラ"が誕生し、生涯最高の喜びに浸っていた。愛する妻"美佐子"と、我が子の成長を見守り、幸せを噛みしめる日々は、幼い頃に親と離別したヤスにとって、ようやく手に入れた「家族」のぬくもりだった。しかしその幸福は、突然の悲劇によって打ち砕かれてしまう...。
 幼児期、思春期、大学、入社、そして結婚と"アキラ"の成長に伴って起きるさまざまな困難に直面するたび、不器用に戸惑って、めちゃめちゃ悩んで、でも素直になれずそれが正反対の態度に出てしまう"ヤス"。それでも周囲の人々に助けられたり、叱咤され激励されながら、我が子の幸せを第一に考え息子を育てつづける父親と成長していく息子の姿がこの小説。
 それにしてもこの不器用な父親である"ヤス"の姿はとても極端。なにか起きれば黙ってはいられない熱い性格で、常に暴走して空回りしてしまう。その結果での悲喜こもごもに完全にやられてしまった。
 ともかく、この小説はずしーんときて、グサっと痛かった。重松清さんにこの手の家族の物語を書かせるとほんとにうますぎる。やっぱり重松清さんはズルいと思う...。

cf. 重松清 読破 List
- 舞姫通信 (1995)
- 見張り塔からずっと (1995)
- ナイフ (1997)
- カカシの夏休み (2000)
- ビタミンF (2000)
- リビング (2000)
- 口笛吹いて (2001)
- 流星ワゴン (2002)
- きよしこ (2002)
- 熱球 (2002)
- 疾走 (2003)
- 送り火 (2003)
- 卒業 (2004)
- いとしのヒナゴン (2004)
- みんなのなやみ (2004)
- その日のまえに (2005)
- きみの友だち (2005)
- 小学五年生 (2007)
- カシオペアの丘で (2007)
- くちぶえ番長 (2007)
- 青い鳥 (2007)
- ブルーベリー (2008)
- せんせい。 (2008)
- みぞれ (2008)
- とんび (2008)
- 季節風 冬 (2008)
- あの歌がきこえる (2009)
- 再会 (2009)
- 十字架 (2009)
- ポニーテール (2011)
- ロング・ロング・アゴー <「再会」改題> (2012)

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