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Thursday, June 20, 2013

「ドンナ ビアンカ/誉田哲也」を読んだ

Tetsuyahonda_donnabianca ずーっと読み続けてる誉田哲也さん。魚住久江シリーズとして読んだ「ドルチェ」に続き、世田谷中央図書館で借りて読んでみた「ドンナ ビアンカ」(新潮社)について。
 こんな話。酒販会社で働く41歳の"村瀬邦之"は,配達先のキャバクラで働く中国人不法就労者である"瑤子"に思いを寄せるようになる。瑤子は新鋭飲食チェーン店専務"副島孝"の愛人だったが、その副島から瑤子との偽装結婚を持ちかけられ、そのうえ副島の会社で働くことになった。村瀬と瑤子は形だけの結婚ではあったが、たまに一緒に食事をしたり、メールを交換しながら、お互いの心を寄せてきた。そんな中、中野署管内で被害者が副島で、身代金2,000万円を要求されるという誘拐事件が発生した。その事件捜査に練馬署強行犯係の"魚住久江"は、かつての同僚"金本"と共に召集された...。
 41歳の純粋な男と27歳の儚い女という2人の不器用な恋愛が導いてしまったような誘拐事件を描いたのがこの作品。話の流れとしては正直ありがちなものなんだけど、この小説の良さは「村瀬と瑤子の儚い想いのやり取り」と「専務"副島"の極悪人ぶり」のしっかり描写されているとこかと思う。主人公である"魚住久江"の活躍よりも、この3人の人間模様に重きを置いて書かれているところが、従来の誉田哲也さんが書く警察モノよりも違っていて新鮮だった。欲を言えば、村瀬と瑤子がその後どうなっていったのはが知りたかったかな...。
 ともかく、この"魚住久江シリーズ"、惨殺や憎しみや悪意が満載な他の作品とは異なり、地味なんだけど味がある。ささやかな生活や融通が効かない人生とか生き様とかが描かれていて、ジワっと染みる感じ。これからも続けて欲しいと思います。

cf. 誉田哲也 読破 List
- 妖の華 (2003)
- アクセス (2004)
- 吉原暗黒譚 (2004)
- 春を嫌いになった理由 (2005)
- 疾風ガール (2005)
- ジウI 警視庁特殊犯捜査係 (2005)
- ストロベリーナイト (2006)
- ジウII 警視庁特殊急襲部隊 (2006)
- ジウIII 新世界秩序 (2006)
- 月光 (2006)
- ソウルケイジ (2007)
- 武士道シックスティーン (2007)
- 国境事変 (2007)
- シンメトリー (2008)
- 武士道セブンティーン (2008)
- ヒトリシズカ (2008)
- ガール・ミーツ・ガール (2009)
- 武士道エイティーン (2009)
- ハング (2009)
- インビジブルレイン (2009)
- 主よ、永遠の休息を (2010)
- 世界でいちばん長い写真 (2010)
- 歌舞伎町セブン (2010)
- 感染遊戯 (2011)
- レイジ (2011)
- ドルチェ (2011)
- あなたの本 (2012)
- 誉田哲也 All Works/誉田哲也(監修) (2012)
- 痛み/貫井徳郎・福田和代・誉田哲也 (2012)
- 幸せの条件 (2012)
- ブルーマーダー (2012)
- ドンナ ビアンカ (2013)

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