「光/道尾秀介」を読んだ
ここ最近、ガンガン読んでる道尾秀介氏さん。世田谷中央図書館で借りて読んでみた「光」(光文社)について。
こんなあらすじ。夏休みから冬の終わりにかけて、都会から少し離れた山間の湖畔の田舎町に暮らす"利一"ら小学四年生の少年少女が経験した冒険。血に染まった赤い川の謎、生き物の住めない湖に住むという人魚の伝説、アンモナイトの発掘、不意に襲い掛かる洞窟の怪奇、大切な人にホタルをみせること...。少年少女たちが経験した謎と恐怖と奇跡を描いた物語。
子供の頃に少年時代にドキドキした謎や挑戦が、大人となった今の追憶として語られていくんだけど、そのときそこに確かにあったものやあったことなのに、すっかり忘れてしまい無くしてしまったことを愛情をたっぷりに思い出すというもの。退屈さもドキドキも、いとおしさ共に語られるのがなんかよかった。
今までの道尾秀介氏さんの作品って、どんでん返しとか推理的な謎解きとかホラーっぽい要素が強かったけど、この話は重松清さん的な少年性が描かれたテイストが全面に出てて、どこか新鮮だった。まさに道尾秀介版の「スタンド・バイ・ミー」とも言えるもの。道尾秀介氏さんの作品の幅を広さを感じた1冊だった。
それにしても、「友達は、たくさんつくりなさい」「つくったら、大切にしなさい」って言葉はほんとよかった。
cf. 道尾秀介 読破 List
- 向日葵の咲かない夏 (2005)
- ソロモンの犬 (2007)
- ラットマン (2008)
- カラスの親指 by rule of CROW'S thumb (2008)
- 鬼の跫音 (2009)
- 球体の蛇 (2009)
- 光媒の花 (2010)
- 月の恋人-Moon Lovers- (2010)
- 短編工場/浅田次郎・伊坂幸太郎・石田衣良・荻原浩・奥田英朗・乙一・熊谷達也・桜木紫乃・桜庭一樹・道尾秀介・宮部みゆき・村山由佳 (2012)
- 光 (2012)
- 笑うハーレキン (2013)
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