「片眼の猿 -One-eyed monkeys-/道尾秀介」を読んだ
ここ最近、ガンガン読んでる道尾秀介氏さん。「光」に続き、世田谷中央図書館で借りて読んでみた「片眼の猿 -One-eyed monkeys-」(新潮社)について。
こんなあらすじ。主人公の"三梨"は、どんな些細な音も聞き漏らさない特異な耳を持っていて、"盗聴"を専門とする私立探偵で生計をたてていた。そして今はある企業の依頼を受け、産業スパイの仕事をしていた。そんな中、電車の中で、同じにおいを感じる"冬絵"の存在に気付いた。彼女は目にコンプレックスを持っていて、いつもサングラスをかけていた。そんな2人は急速に近づき、そのスパイ仕事を手分けして進めることになった...。
なぜ犬の鼻は大きいのか、なぜ2階建てなのにエレベーターがあるのかなどなど、ローズフラットの住人たち含め、完全にだまされた1冊。自分が人と違うことに気づき、その大勢多数からうとまれ、傷つきながらも自分の生き方を決めている登場人物たちの心意気に、ちょっと感動したし、人とのつきあいかたにちょっとした気づきを教えてくれた。
悲しみを乗り越えて、自尊心の大切さを感じた1冊。いやー、見事にだまされました。
cf. 道尾秀介 読破 List
- 向日葵の咲かない夏 (2005)
- 片眼の猿 -One-eyed monkeys- (2007)
- ソロモンの犬 (2007)
- ラットマン (2008)
- カラスの親指 by rule of CROW'S thumb (2008)
- 鬼の跫音 (2009)
- 球体の蛇 (2009)
- 光媒の花 (2010)
- 月の恋人-Moon Lovers- (2010)
- 短編工場/浅田次郎・伊坂幸太郎・石田衣良・荻原浩・奥田英朗・乙一・熊谷達也・桜木紫乃・桜庭一樹・道尾秀介・宮部みゆき・村山由佳 (2012)
- 光 (2012)
- 笑うハーレキン (2013)
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