「民王/池井戸潤」を読んだ
面白そうだったので読んでみた池井戸潤さんの「民王」(文藝春秋)について。
こんなあらすじ。ある日突然、首相"武藤泰山"と武藤の大学生のドラ息子"翔"の中身が入れ替わってしまう。原因もわからないまま、やむなく泰山の変わり身となって国会に出ることになった翔だったが、遊んでばかりの日常を送ってきた翔には、国会でおこなわれる討論や質疑応答など、到底理解できない。幼稚な発言や言動を繰り返した上、秘書が書いた想定問答集の漢字が読めない首相に対して、厳しい批判が吹きあがる。それと時を同じくして、泰山のまわりでは、閣僚の酔っ払い発言やスキャンダル、献金問題などが相次ぐ。一体何が起こっているのか...。
これ、荒唐無稽でバカバカしい話かと思っていたら、読んでるうちに感動してしまった1冊。現代社会が抱える様々な問題に真剣に取り組まず、自分の保身を優先する政治家。その一方、くだらない生活を送ってるようで、実は案外、国の未来を憂いている学生。政治家とは何か、国を憂うとは何か、本物の大人とは何か、国を動かす政治とは何か、そして正義とは何か...単なるギャグ小説かと思っていたら、いつのまにが熱い小説になっていた。
与野党のねじれ現象の解消など現実の政治が動いていて、ほんと目が離せない中、胸がスカッとする1冊だった。お勧めです。
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