「嘘をもうひとつだけ/東野圭吾」を読んだ
ちょいちょい読んできてる東野圭吾さんの本。桜新町TSUTAYAで買って読んでみた「嘘をもうひとつだけ」(講談社文庫)について。
これ、加賀恭一郎シリーズの中の1冊。5つの短編が収録されているんだけどそれぞれこんなあらすじ。
・「嘘をもうひとつだけ」:
弓削バレエ団の事務員"早川弘子"の死体が自宅マンションの植え込みの中で発見され、警察の調査により、7階にある自宅バルコニーから転落死したことが判明した。練馬警察署の刑事"加賀恭一郎"は、同じマンションに住み、同じ劇団で働く元プリマ・バレリーナ"寺西美千代"に目をつけた...。
・「冷たい灼熱」:
自宅に帰宅した"田沼洋次"は倒れている妻"美枝子"を発見した。幼い息子の姿もみあたらない。部屋が荒らされていたことから、強盗の犯行で、しかも美枝子が前から首を絞められて殺されていたことから、警察は顔見知りではないかとの見解を見せた...。
・「第二の希望」:
5年前に離婚した"楠木真智子"は、今は11歳になる娘"理沙"と2人で暮していた。真智子のかつての夢は器械体操のオリンピック選手になることだったが、今は娘の才能を見抜き、娘に自分の夢を託そうとしていた。そんな中、親しく交際していた"毛利周作"が絞殺死体で発見された...。
・「狂った計算」:
"坂上奈央子"は先日交通事故で夫を亡くし、必ず菊とマーガレットを買っていた。練馬警察署の刑事"加賀恭一郎"は、行方不明となっている建築士"中瀬幸伸"が奈央子と親しくしていたという話を聞き、事件の真相を探りにかかる...。
・「友の助言」:
"萩原保"が交通事故を起こし、一命は取りとめたが十数か所を骨折し、入院を余儀なくされていた。萩原の友人である練馬警察署の刑事"加賀恭一郎"は、病院に見舞いに訪れ、「睡眠薬を飲まなかったか?」と萩原に話を聞く。しかし、萩原は飲んでいないと言い張っていた...。
これ、主人公がついたちょっとした嘘を、捜査の過程で問い詰め、暴いていく"加賀恭一郎"の姿を描いた推理短編集。語感や振る舞いや表情、それに綿密な聞き込み捜査から嘘を割り出していくプロセスが面白い。いつのまにか落とし穴にはまってしまい、その結果思わぬ過ちをおかしてしまった人々が、それを隠すために新たな隠しごとをしてしまう...。なかなかジワっとくる小品集だった。
cf. 東野圭吾 読破 List
- ブルータスの心臓 (1989)
- 回廊亭殺人事件 (1991)
- 美しき凶器 (1992)
- パラレルワールド・ラブストーリー (1995)
- 悪意 (1996)
- 秘密 (1998)
- 白夜行 (1999)
- 予知夢 (2000)
- 嘘をもうひとつだけ (2000)
- レイクサイド (2002)
- 時生 (2002)
- 幻夜 (2004)
- さまよう刃 (2004)
- 容疑者Xの献身 (2005)
- 赤い指 (2006)
- 流星の絆 (2008)
- プラチナデータ (2010)
- 白銀ジャック (2010)
- 麒麟の翼 (2011)
- 真夏の方程式 (2011)
- マスカレード・ホテル (2011)
- 虚像の道化師 ガリレオ7 (2012)
- ナミヤ雑貨店の奇蹟 (2012)
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