「ようこそ、わが家へ/池井戸潤」を読んだ
三茶Tsutayaでみつけ、面白そうだったので読んでみた池井戸潤さんの「ようこそ、わが家へ」(小学館文庫)について。
こんな話。ナカノ電子部品に出向中の会社員"倉田太一"は、真面目でちょっと小心で穏便な性格の持ち主。そんなある日、駅のホームで割り込みをした男を勇気を出して注意したが、その日から倉田家に対する嫌がらせが相次ぐようになる。花壇は踏み荒らされ、郵便ポストには瀕死のネコが投げ込まれた...。しつこくに続く攻撃から穏やかな日常を取り戻すべく、倉田一家はストーカーとの対決を決意する。さらには出向先の会社でも営業部長に不正の疑惑が起こり、それを指摘した倉田は窮地に追い込まれていく...。
自分としては正しいことと信じて取った言動が、顔の見えない誰かの怒りに触れる...。電車の乗降の際に割り込んで来た相手に注意をしたことから、どんどん面倒な事になって行く過程は、まさに逆恨みの恐怖というもの。マナーの悪さを注意して、それが後味の悪い結果になってしまうことがあるこのご時世、ますます注意をする人は減っていき、人ととのかかわりやコミュニケーションをしなくなってしまいがち。変質的なストーカーの恐怖とともに、そんなことを考えた1冊だった。
cf. 池井戸潤 読破 List
- 民王 (2010)
- 下町ロケット (2010)
- ようこそ、わが家へ (2013)
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