「風の中のマリア/百田尚樹」を読んだ
最近ジワジワ気になってる百田尚樹さん。今回世田谷中央図書館で借りて読んでみた「風の中のマリア」(講談社文庫)についてちょっと書いてみる。
こんなあらすじ。スズメバチ亜科の中で最大のスズメバチであるオオスズメバチの女王蜂"アストリッド"が率いる帝国が舞台。ワーカーの娘"マリア"は、帝国の繁栄と生まれた妹達を育て守るために、堅固な鎧を身につけ、無尽蔵のスタミナで疾風のように野山を飛び回り、鋭い牙で獲物を噛み砕き殺戮を続ける最強のハンターだった。マリアは恋も母となる喜びも知らず、30日という短い命を燃やし、狩りに明け暮れていた...。
これ、オオスズメバチのマリアの生涯を通して、オオスズメバチの帝国の運命が語られる物語。オオスズメバチを擬人化し、彼女が姉妹のワーカーや他の虫、偶然で出会った雄バチ、そして女王蜂から様々な話を聞き、自分の一生について考え、宿命を悟っていくところが面白い。しかも徹底的に自然生態学や遺伝子学も裏取りされていて、DNAゲノムとか蜂の習性や生態も堪能でき、結構ハマってしまた。
子供の頃、こんな虫を主人公にした物語を読んでいたけど、まさかこの歳になって虫の話を読むとは思わなかった。でもいつのまにか感情移入してしまい、読み終えると「たかがハチ」と切り捨てられない切なくて美しい話でした。いやーバカにできないです。
cf. 百田尚樹 読破 List
- 永遠の0(ゼロ) (2006)
- 風の中のマリア (2009)
- モンスター (2010)
- 影法師 (2010)
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