「噂の女/奥田英朗」を読んだ
ずっとに読んできた奥田英朗さんの小説。今回は世田谷中央図書館で借りた「噂の女」(新潮社)について。
こんなあらすじ。中古車店に毎日クレームをつけに通う3人組、麻雀に明け暮れるしがないサラリーマン達、パチンコで時間をつぶす失業保険受給中の女達、料理教室で使われる素材の悪さに文句がつのる女達、子供を預ける保育所で不満がたまる女達、寺への寄進に文句が言いたい檀家たち...岐阜という地方都市で暮らし、鬱屈した日々を送る彼ら・彼女らの前に現れた"噂の女"糸井美幸でつながる10篇の物語。
ある連続殺人事件の容疑者をモチーフに、噂の女"糸井美幸"をとりまく地方都市で暮らす人々の実体をコミカルかつシニカルに描いた短編小説。キナ臭い世間の噂から彼女の人物像が続々と浮かび上がってくるんだけど、きっとせせら笑いながらするりとすりぬけていく彼女の生き様が痛快だった。1つの話が明確なオチで終わらないけど、決して読後感は悪くなく、すべてTo Be Continuedという感じが面白かった。
個人的には岐阜弁が出まくって、とっても懐かしかった。嫉妬や羨望だらけの1冊。奥田英朗らしい読みやすくで毒にあふれた小説だった。
cf. 奥田英朗 読破 List
- B型陳情団 (1990)
- ウランバーナの森 (1997)
- 最悪 (1999)
- 邪魔 (2001)
- 東京物語 (2001)
- イン・ザ・プール (2002)
- 延長戦に入りました (2002)
- マドンナ (2002)
- 真夜中のマーチ (2003)
- 空中ブランコ (2004)
- サウスバウンド (2005)
- ララピポ (2005)
- ガール (2006)
- 町長選挙 (2006)
- 家日和 (2007)
- オリンピックの身代金 (2008)
- 用もないのに (2009)
- 無理 (2009)
- 純平、考え直せ (2011)
- 我が家の問題 (2011)
- あの日、君と Boys/ナツイチ制作委員会(編)・伊坂幸太郎(著)・井上荒野(著)・奥田英朗(著)・佐川光晴(著)・中村航(著)・西加奈子(著)・柳広司(著)・山本幸久(著) (2012)
- 短編工場/浅田次郎・伊坂幸太郎・石田衣良・荻原浩・奥田英朗・乙一・熊谷達也・桜木紫乃・桜庭一樹・道尾秀介・宮部みゆき・村山由佳 (2012)
- 噂の女 (2012)
- 沈黙の町で (2013)
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