「MEMORY/本多孝好」を読んだ
ぼちぼち読んでる本多孝好さんの作品。世田谷中央図書館で借りて読んでみた「MOMENT」、「WILL」に続く第3弾「MEMORY」(集英社文庫)について。
こんなあらすじ。葬儀店のひとり娘として産まれた"森野"と文房具店の息子である"神田"は、同じ商店街で幼馴染みとしてふたりは育った。中学3年のとき、森野は教師を階段から突き落とし怪我を負わせ、その後学校に来なくなった。事件の真相はどうだったのか...。
これ、同じ商店街に生まれ育った幼なじみで恋人とも友達とも違うけど、強い絆で結ばれた2人。それでも森野と神田の関係は微妙で、その2人を取り巻く人々からの視点で描かれているのが、今回の短編集。まさにサイドストーリーと言うかドロップアウト的な位置づけの作品で、それぞれ森野と神田が主人公ではなく、登場人物として描かれている。その第3者から見た2人は、ややこしくて、めんどくさいんだけど、短編ごとにその時々の2人の姿が浮かび上がるのいいし、最後に2人が3人になって病院を出るシーンがなかなかよかった。このシーンを知ってしまうと、もう次はないのかなと思ってしまった。
この本多孝好さん、最近の「ストレイヤーズ・クロニクル」のようなハードな小説もよかったけど、澄んだ透明感があって、どことなく暖かい読後感が残る作風の小説もやっぱりいい。これからも読み続けたい作家の一人です。
cf. 本多孝好 読破 List
- MISSING (1999)
- ALONE TOGETHER (2000)
- MOMENT (2002)
- I LOVE YOU/伊坂幸太郎・石田衣良・市川拓司・中田永一・中村航・本多孝好 (2005/2007)
- Fine Days (2006)
- 正義のミカタ I'm a loser (2007)
- チェーン・ポイズン (2008)
- WILL (2009)
- at Home (2010)
- ストレイヤーズ・クロニクル ACT-1 (2012)
- ストレイヤーズ・クロニクル ACT-2 (2012)
- ストレイヤーズ・クロニクル ACT-3 (2013)
- MEMORY (2013)
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