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Sunday, December 29, 2013

「愛に乱暴/吉田修一」を読んだ

Shuichiyoshida_ainiboryoku ここ最近集中的に読んでいる吉田修一さん。世田谷中央図書館で借りて読んでみた「愛に乱暴」(新潮社)について。
 こんなあらすじ。東京近郊で、夫"真守"の実家の離れに住む結婚8年の専業主婦"桃子"は、週一回カルチャーセンターで石鹸作りを教えていた。そんな中、愛人を作っていた真守は子供ができたこともあり、離婚したいと言い出した。さらに義父の入院と義母との確執も加わって次第に追い詰められた桃子は、誰にも言えない激しい衝動にかられ、意外な行動に走っていく...。
 夫の不倫と姑の視線に耐えられなくなった主婦が異様な行動に走っていくサスペンスな家族小説。すべてが桃子の目線で書かれていて、途中桃子の過去と現在の日記が混ぜられていくというもの。よくある昼ドラのように下世話な話なんだけど、男を奪った女がまた奪われるという因果応報、子供の流産、根深くしこりが残ったままのドロドロした嫁姑間の確執とその空気感、そして妄想の果てにチェーンソーで床に穴をあける衝動的な奇行までが描かれていて、不愉快ながらも結局ハマってしまった。
 なにげない日常を描きつつも、その裏にひそむ闇が暴きださてて、まさにタイトルどおり「愛に乱暴」な話でした。

cf. 吉田修一 読破 List
- 最後の息子 (1999)
- パレード (2002)
- パーク・ライフ (2002)
- 日曜日たち (2003)
- 東京湾景 (2003)
- ランドマーク (2004)
- 7月24日通り (2004)
- 春、バーニーズで (2004)
- ひなた (2006)
- 女たちは二度遊ぶ (2006)
- 初恋温泉 (2006)
- うりずん/吉田修一・佐内正史 (2007)
- 悪人 (2007)
- 静かな爆弾 (2008)
- さよなら渓谷 (2008)
- あの空の下で (2008)
- 元職員 (2008)
- キャンセルされた街の案内 (2009)
- 横道世之介 (2009)
- 平成猿蟹合戦図 (2011)
- 太陽は動かない (2012)
- 路(ルウ) (2012)
- 愛に乱暴 (2013)

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» 「愛に乱暴」吉田修一 [粋な提案]
妻も、読者も、騙される! 『悪人』の作家が踏み込んだ、〈夫婦〉の闇の果て。これは私の、私たちの愛のはずだった――。夫の不実を疑い、姑の視線に耐えられなくなった時、桃子は誰にも言えぬ激しい衝動に身を委ねるのだが……。夫婦とは何か、愛人とは何か、〈家〉とは何か、妻が欲した言葉とは何か。『悪人』『横道世之介』の作家がかつてない強度で描破した、狂乱の純愛。本当に騙したのは、どちらなのだろう? 東京...... [Read More]

Tracked on Friday, April 03, 2015 13:41

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