「カササギたちの四季/道尾秀介」を読んだ
ここ最近、ガンガン読んでる道尾秀介氏さん。世田谷中央図書館で借りて読んでみた「カササギたちの四季」(光文社)について。
こんなあらすじ。開店して2年、赤字続きで店員2人の"リサイクルショップ・カササギ"が舞台。店長の"華沙々木(カササギ)"は、謎めいた事件があると、商売そっちのけで首を突っ込みたがり、華沙々木に誘われてカササギをやってる副店長の"日暮"は、売り物にならないようなガラクタを寺の住職から高く買い取らされてばかりいる。しかも中学生の"菜美"は居心地がよいのか、カササギに入り浸っていた...。
これ、「鵲の橋」「蜩の川」「南の絆」「橘の寺」の4つの話が入っているんだけど、どの話も華沙々木のどこかズレている謎解きを、華沙々木を敬愛する菜美ががっかりしないように、日暮がひそかに真実を暴いたり、繕ったり、作り変えたりするというもの。いろいろと事情を抱えている菜美の存在とか、登場人物も個性的で面白いし、すべての話が人間に対する優しい視点で書かれていて、人と人との繋がりの大切さに爽やかな読後感ばかり。軽めのタッチなので、サクサクと読めるのもよかった。
いままで道尾秀介さんの作品を読んできたけど、この「カササギたちの四季」はほんわか系。暗澹たる気分させられるミステリーも好きだけど、これもあり。道尾秀介さん、ほんとうまい作家さんです。
cf. 道尾秀介 読破 List
- 向日葵の咲かない夏 (2005)
- 片眼の猿 -One-eyed monkeys- (2007)
- ソロモンの犬 (2007)
- ラットマン (2008)
- カラスの親指 by rule of CROW'S thumb (2008)
- 鬼の跫音 (2009)
- 花と流れ星 (2009)
- 球体の蛇 (2009)
- 光媒の花 (2010)
- 月の恋人-Moon Lovers- (2010)
- 月と蟹 (2010)
- カササギたちの四季 (2011)
- 短編工場/浅田次郎・伊坂幸太郎・石田衣良・荻原浩・奥田英朗・乙一・熊谷達也・桜木紫乃・桜庭一樹・道尾秀介・宮部みゆき・村山由佳 (2012)
- 光 (2012)
- ノエル-a story of stories- (2012)
- 笑うハーレキン (2013)
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