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Monday, February 10, 2014

「賢者は幸福ではなく信頼を選ぶ。/村上龍」を読んだ

Ryumurakami_kenjahakofuku もう30年近く読み続けてる村上龍さん。世田谷中央図書館で借りて読んでみたエッセイ「賢者は幸福ではなく信頼を選ぶ。」(KKベストセラーズ)について。
 これ、2012年から13年に書かれた最新のエッセイ。アベノミックスや東京五輪など希望と、汚染水問題、消費税、劣悪な手段で人を解雇に追い込むブラック企業の存在など語りつつ、若者たちが希望を見出せず、思考が放棄された今の現実を憂いながらもあきらめがはびこった世を憂いている。経済成長時の強大ななにかに対して、強烈なNoをつきつけ、イタリアに行きまくって中田英寿の試合を現場で観て、F1の大会を現場で観て、テニスの4大大会を現地で観まくり、うまいものを食べまくってた氏の姿はここにない。ただ、若者を鼓舞しつづけたトーンはなくなったようにみえるが、実は龍さんの主張は昔とまったく変わっていない。むしろ時代と年齢に応じて、自分の行動順位を変えてきていることを自分の中で消化して、しっかりと伝えてくれていると思う。
 そんな中でも、"父の葬儀の夜に"というエッセイで、一緒に観た映画のことを書きつつ、人間村上龍のことが垣間見れたのがなんかよかった。
 ともかく借金と孤独で人は簡単にホームレスになるという項は身につまされた。これからも読んでいく作家だと思う。

cf. 村上龍 読破 List
- 限りなく透明に近いブルー (1976)
- コインロッカー・ベイビーズ (1980)
- 走れ!タカハシ (1986)
- 69 sixty nine (1987)
- 愛と幻想のファシズム (1987)
- 超電導ナイトクラブ (1991)
- 長崎オランダ村 (1992)
- 昭和歌謡大全集 (1994)
- 五分後の世界 (1994)
- 村上龍映画小説集 (1995)
- ヒュウガ・ウイルス~五分後の世界II (1996)
- ストレンジ・デイズ (1997)
- イン ザ・ミソスープ (1997)
- 共生虫 (2000)
- 希望の国のエクソダス (2000)
- 2days 4girls (2002)
- 半島を出よ (2005)
- 空港にて (2005)
- 盾 Shield (2006)
- 美しい時間/小池真理子・村上龍 (2006)
- 案外、買い物好き (2007)
- 歌うクジラ (2010)
- 逃げる中高年、欲望のない若者たち (2010)
- 心はあなたのもとに (2011)
- 櫻の樹の下には瓦礫が埋まっている (2012)
- 55歳からのハローライフ (2012)
- 自由とは、選び取ること (2013)
- 賢者は幸福ではなく信頼を選ぶ。 (2013)

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