「「黄金のバンタム」を破った男/百田尚樹」を読んだ
今年は集中的に読もうかと思っている作家の百田尚樹さん。桜新町Tsutayaで買ってみた「「黄金のバンタム」を破った男」(PHP文芸文庫)について。
これ、伝説の名チャンピオン"ファイティング原田"の半生を描いたノンフィクション小説。原田の戦いの記録と当時のライバル達のこと、高度経済成長まっただ中の世相をわかりやすく書かれていた。
現在のボクシングの世界は主要4団体に17階級があるんだけど、当時は1団体8階級ということで、そのチャンピオンに君臨することの今と比較にならない難しさ、フライ級の王者になった後、「黄金のバンタム」と呼ばれた最強の男エデル・ジョフレを破って、バンタム級の王者になったという2階級制覇の偉業とその戦いの凄惨さ、ガムを噛みながら取材に訪れた記者に対する殺意とか想像を絶する過酷な減量のこと、ジム会長との信頼と確執、海外での試合時の理不尽な判定による幻の三階級制覇など、読ませる内容ばかり。解説を読んで納得したんだけど、大学時代ボクシングを志した作者・百田尚樹さんのボクシングに対する愛情がここまで読ませるノンフィクションになったんだと思った。
最近、ボクシングはまったく観ていないけど、自分の父親はボクシングの試合を観ることが大好きだった。197O年代、柴田国明、輪島功一、ガッツ石松、具志堅用高などなど、彼らの試合を茶の間のテレビで一緒によく観たもんだった。そんなことを思い出させてくれた一冊です。
cf. 百田尚樹 読破 List
- 永遠の0(ゼロ) (2006)
- 風の中のマリア (2009)
- モンスター (2010)
- 影法師 (2010)
- 輝く夜 (2010)
- 「黄金のバンタム」を破った男 (2012)
「書籍・雑誌」カテゴリの記事
- 「黒牢城/米澤穂信」を読んだ(2025.01.15)
- ROCKIN'ON JAPAN DECEMBER 2024(2025.01.10)
- 「ジェンダー・クライム/天童荒太」を読んだ(2024.12.26)
- 「人間標本/湊かなえ」を読んだ(2024.12.06)
- 「当確師/真山仁」を読んだ(2024.11.29)
Comments