「株価暴落/池井戸潤」を読んだ
今年は集中的に読んでみたいと思っている作家のひとり池井戸潤さん。今回は世田谷中央図書館で借りて読んでみた「株価暴落」(文春文庫)について。
こんな話。巨大スーパー"一風堂"で連続爆破事件が発生する。前より事業再生中だった一風堂の株価が、企業テロを示唆する犯行声明により暴落する中、一風堂からの巨額の追加支援要請をめぐって、白水銀行審査部の"板東"は企画部の"二戸"と激しく対立する。一方、警視庁の刑事"野猿"に犯人のタレコミ電話がかかってきた。その電話によると犯人と目される男の父親は、一風堂の強引な出店攻勢で自殺に追いこまれていた...。
これ、爆破事件を描きながら、銀行の存在を賭けた金融犯罪小説。バンカーとしての正義と組織の理論という力関係の中で戦う主人公の姿、爆破事件の濡れ衣を着せられた青年の逃避行、そして最後のどんでん返しと、最後の最後まで読み応えがあった。いままで貸し渋りというと銀行の横暴という面でしかとらえてこなかったけど、銀行が守るべきは銀行の利益という当たり前のことをこの本を読むまでわかっていなかった。
いやー、池井戸潤さんの小説は面白い。あらためて集中的に読みたくなってきました。
cf. 池井戸潤 読破 List
- 株価暴落 (2004)
- 鉄の骨 (2009)
- 民王 (2010)
- 下町ロケット (2010)
- ようこそ、わが家へ (2013)
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