「みんなのうた/重松清」を読んだ
ずーっと読んでる重松清さん。今回はTsutaya桜新町でひっかかって買ってみた「みんなのうた」(角川文庫)について。
こんなあらすじ。"森原レイコさん"は東大を目指して上京したが3浪の末、偶然出会った高校時代の同級生"イネちゃん"と、夢破れて帰郷した。傷心のレイコさんを迎えたのは、個性豊かな森原家の面々と、弟の"タカツグ"が店長をつとめるカラオケボックス「ウッド・フィールズ」だった。レイコさんはこのまま田舎のしがらみにからめとられてなら、言い訳ばかりの人生を過ごすのか...。
これ、東大受験3浪の末、田舎に舞い戻った主人公が価値観のまったく異なる家族や地元の人々との交流のなかで、あらためて自分の生き方を見つめ、凹んだ心が復活していく様を描いた物語。まさにコピー通りの「ふるさとは、ちょっとめんどくさくて、あったかい。」というもの。田舎という小さいコミュニティーならではの残酷さはあるし、やりたいことを探すために大学に行くというのも激しく同感してしまった。特に自分も故郷を離れたいという気持ちは本当に強かったし、だからこそ妙に身につまされてしまった。そしてこの話の中に出てくる「いま、必要な事をしてあげる。それが親切の基本!!」という言葉は本当に痛かった。最後まで読んで思わず満員電車の中で涙が出てきてしまった。
ここ最近、家族のことで久しぶりに実家に帰ることが多い。やっかいだし、ままならないことも多い。それでもどこか懐かしいし、なんとなく顔を出したいし、なんとかしなけばという気持ちもある。ひさびさに重松清さんにやられてしまいました。
cf. 重松清 読破 List
- 舞姫通信 (1995)
- 見張り塔からずっと (1995)
- ナイフ (1997)
- カカシの夏休み (2000)
- ビタミンF (2000)
- リビング (2000)
- 口笛吹いて (2001)
- 流星ワゴン (2002)
- きよしこ (2002)
- 熱球 (2002)
- 疾走 (2003)
- 送り火 (2003)
- 卒業 (2004)
- いとしのヒナゴン (2004)
- みんなのなやみ (2004)
- その日のまえに (2005)
- きみの友だち (2005)
- 小学五年生 (2007)
- カシオペアの丘で (2007)
- くちぶえ番長 (2007)
- 青い鳥 (2007)
- ブルーベリー (2008)
- せんせい。 (2008)
- みぞれ (2008)
- とんび (2008)
- 季節風 冬 (2008)
- あの歌がきこえる (2009)
- 再会 (2009)
- 十字架 (2009)
- ポニーテール (2011)
- ロング・ロング・アゴー <「再会」改題> (2012)
- 星のかけら (2013)
- みんなのうた (2013)
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