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Wednesday, April 16, 2014

「Carre Blanc/カレ・ブラン」を観た

Carreblanc ちょっと面白そうだったので観てみたフランスのSF映画「Carre Blanc/カレ・ブラン」(2011/Cinema)について。
 こんなあらすじ。思考や感情が統制された近未来が舞台。人間は社会の権威や秩序に忠実な"社畜"と、人間扱いされず死ねば食料となる"家畜"に2分化されていた。少年Philippe(Sami Bouajila)は人肉加工場で働く母と2人で暮らしていたが、ある日母が投身自殺をし、施設へと送られる。そこで将来の伴侶となるMarie(Julie Gayet)と出会ったPhilippeは、やがて優秀な"社畜"へと成長した。しかし、何不自由ない生活を送る一方、妻MarieはPhilippeとの溝を深め、情緒不安定に陥っていく...。
 これ、全体主義の社会を舞台に、人間がその尊厳すら失ったルールやシステムや秩序になんの疑問を抱くこともできない暗黒世界(=ディストピア)を描いた近未来SF映画。権威によって思考や感情をコントロールされた人間の日常を淡々と描かれるんだけど、意味も無く忍び寄るズームカットと膨大に費やされる心象的なショット数、加工人肉を食べるシーンなど、色と説明のない映像がこれでもかと続くことで、不条理でダークで残酷な世界に引き込まれてしまった。
 心の闇が生んだ不快なディストピアの物語、良くも悪くも強烈なインパクトがズシッと残った映画だった。

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