「捩れ屋敷の利鈍 The Riddle in Torsional Nest/森博嗣」を読んだ
Mtzk君に借りてボチボチ読んでる森博嗣さん。今回はVシリーズの中から「捩れ屋敷の利鈍 The Riddle in Torsional Nest」(講談社ノベルス)について。
このVシリーズと呼ばれる推理系小説、自称科学者の"瀬在丸紅子"、私立探偵で便利屋の"保呂草潤平"、医学部生の"小鳥遊練無"、女子大生の"香具山紫子"の4人が推理解決していくというもの。ただし、この「捩れ屋敷の利鈍 The Riddle in Torsional Nest」ではS&Mシリーズの西之園萌絵(国立N大学建築学科の学生)も中心メンバーとして登場するため、S&MシリーズとVシリーズがクロスオーバーする作品になっている。
こんなあらすじ。私立探偵で美術鑑定家で便利屋の"保呂草潤平"は"熊野御堂"の別荘に客人として招かれたが、その屋敷に、偶然にも国立N大学建築学科の学生の"西之園萌絵"も招待されていた。2人は主人の案内で、屋敷内にある"メビウスの帯"構造の捩れ屋敷を見物したが、そこにある1つの部屋には秘宝の宝剣"エンジェル・マヌーバ"が保管されていた。その翌日、密室状態となった捩れ屋敷の中で死体が発見され、"エンジェル・マヌーバ"も消えてしまった。さらに姿が見えなくなっていた屋敷の主人"熊野御堂"も、同じく密室状態のログハウスの中から死体で発見された...。
これ、"保呂草潤平"と"西之園萌絵"がメビウス構造の密室の謎に挑むミステリー小説。今回もオブジェというか捩れ屋敷という建築物のこれでもかと描かれた詳細が執着的で素晴らしい。そこのトリックもよいんだけど、さらによいのは"保呂草潤平"と"西之園萌絵"の絡みの部分。会話自体が刺激的なんだけど、この2人のやりとりでこのシリーズ物の裏事情が理解できて、さらに楽しみ方が増えるのではと思った。
Mtzk君に借りた森博嗣さんの小説も「そして二人だけになった Until Death Do Us Part」のみ。これも早速読んでみよう。
cf. 森博嗣 読破 List
- 夏のレプリカ Replaceable Summer (1998)
- 夢・出逢い・魔性 You May Die in My Show (2000)
- 魔剣天翔 Cockpit on Knife Edge (2000)
- 恋恋蓮歩の演習 A Sea of Deceits (2001)
- 捩れ屋敷の利鈍 The Riddle in Torsional Nest (2002)
- 朽ちる散る落ちる Rot off and Drop away (2002)
- イナイxイナイ PEEKABOO (2007)
「書籍・雑誌」カテゴリの記事
- レコード・コレクターズ 2025年4月号(2025.04.15)
- 「俺たちの箱根駅伝/池井戸潤」を読んだ(2025.04.10)
- 代官山通信 Vol.169(2025.04.09)
- BRUTUS 1026(2025.04.08)
- 「首木の民/誉田哲也」を読んだ(2025.03.25)
Recent Comments