「ルーズヴェルト・ゲーム/池井戸潤」を読んだ
今年集中的に読んでいる作家のひとり池井戸潤さん。今回は、TVドラマの放送もあったので、世田谷中央図書館で借りて読んでみた「ルーズヴェルト・ゲーム」(講談社)について。
こんなあらすじ。監督に見捨てられ、主力選手をも失ったかつての名門"青島製作所野球部"。創部以来の危機に、野球部長の"三上"は緻密なデータに基づく"大道"を監督として招き、新しいオーダーでチームを立て直そうとしたが、エースの"萬田"が故障し、チームを去ってしまう。そこで大道の目に止まったのは傷害事件を起こし、野球から離れていた派遣社員の"沖原"だった。一方、青島製作所社長"細川"は、大口取引先から大幅な生産調整と単価切り下げを通告され窮地に陥ってり、野球部廃部を含めた聖域なきリストラを三上に命じた...。
「一番おもしろい試合は、8対7だ」と野球を愛したルーズヴェルト大統領は語った...。これ、厳しいビジネス環境の中、企業が生き残るための手段としてのリストラを描き、野球部が廃部されるか存続されるかを中心にそれぞれの人生が描かれた小説。金を産まないものは無駄なのか、無駄なものを本当にダメなのかがこれでもかと描かれていた。開発部とのやりとり、ライバル会社とのえげつない駆け引き、リストラシーンのつらさ...読んでて身につまされるものばかりだったけど、イッキにのめり込めたし、最後の最後にさわやかな元気をもらった。
ドラマのほうはまったく観なかったけど、いい小説だった。
cf. 池井戸潤 読破 List
- 架空通貨 (2003)
- 株価暴落 (2004)
- 銀行仕置人 (2005)
- 鉄の骨 (2009)
- 民王 (2010)
- 下町ロケット (2010)
- 新装版 不祥事 (2011)
- ルーズヴェルト・ゲーム (2012)
- ようこそ、わが家へ (2013)
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